今年2025年7月の第27回参議院議員選挙が近づき、各党の公約が提示され始めたが、どの政党も目先の国民のご機嫌取りばかりで、本来示されるべき日本の国益を踏まえた政策がほとんど見えて来ない!
自民党は小泉農相の備蓄米パフォーマンスで、少し支持率を取り戻してはいるが、長年にわたる自民党政権の農業政策における減反政策の根本的失敗については、厚かましくも頬被り(ほおかぶり)したまま責任を取る気がないようである!
そもそも我が日本は、世界の国々と比べて女性の社会進出が遅れていると言われ続けながらも、いまだにクオータ制をまったく導入していない!
2024年12月末時点において,法律により取締役会におけるクオータ制を導入している国は,イスラエル,ノルウェー,スペイン,オランダ,アイスランド,フランスがあり、国・地方議会議員へのクオータ制を憲法、選挙法、政党のいずれか、または重複して実施している国は98か国もある!
なお、現在G20の国の中でクオータ制が導入されているのは、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、南アフリカ、韓国 である!
クオーター制を導入している国は、伊達や酔狂で導入をしているのではない!
ひとえに国益を踏まえた、国の大切な宝である人的資源の活用についての結論として導入しているのである!
国民の半数を占める女性のパワーをキチンと適切に利用出来ないということは、冷静に自国の国益を損じていることだと正しく理解しているのである!
クオータ制は、1973年にノルウェーで発祥した。
もともとクオータ制は、女性の政治進出の遅れを正すための制度として設けられたのである。
クオータ制はラテン語で割り当て・分け前を意味する「Quota」に由来し、ある特定の割り当てを満たすための制度である。
女性やマイノリティなど特定の集団の社会参加を促進し、公平性を高めることを目的としている。
つまり、クオータ制とは集団における属性ごとの構成員の人数を、適切な比率にするための是正制度を指す。マイノリティなどが不利な取り扱いによって集団への参加が阻害されないよう、あらかじめ枠を設けて参加人数を割り当てておく制度なのだ。
G20各国の2025年現在における、国会議員の女性議員比率を高い順に並べてみた!
G20には地域としてのEUを含むため、国の数では19カ国となる。
1番はメキシコで、議会における女性の割合が50.2%と非常に高い!
2000年代以降メキシコでは候補者リストにおいて男女の均等を徹底するための法改正が相次ぎ、この結果、政党は必ず50%に近い女性候補を擁立する体制を整えた!
2番はオーストラリアの44.9%。1990年代以降、各政党が内部改革の一環として、女性候補者の選考や育成に力を入れる方針を打ち出した!
3番の南アフリカは、44.6%の女性議員が在籍しており、男女平等を推進する政策がその背景にある。
4番のアルゼンチンは、43.2%の女性議員が在籍している。
5番はフランスで、女性議員の割合は36.5%となり積極的な政治参加促進策の効果が現れて来ている。
6番のカナダは35.9%。
7番のドイツは、35.7%で安定した比率を保っている。
8番の英国においては34.7%。
9番のイタリアでも33.9%の女性が議会を構成しており、着実に女性の政治への参画が進んでいる。
10番の米国が28%、と意外と低い。2016年にヒラリー・クリントンがトランプとの大統領選挙に敗れたのが、何となく分かるような気がする。
11番の中国は26.5%、こちらも意外と低い。二千年以上にわたり続く儒教の伝統の影響が、共産党政権の今でも残っているのかも知れない。
12番のインドネシアは21.9%。
13番の韓国は20.3%の女性議員が在籍している。
14番のサウジアラビアは、19.9%。
15番のトルコも19.9%。
16番の日本では19%と、昨年の総選挙で3.5%アップしたが、まだまだ女性の政治参画が低い状況である。昨年の総選挙がなければロシアよりも低かったのである!
17番のブラジルは18.4%。
18番のロシアでは17%。
19番のインドは14.7%の女性議員在籍している。。
この並びからは、国ごとの歴史的背景や政策、文化、法制度の違いが女性の政治参加にどう影響しているかが垣間見え、各国が目指すジェンダー平等の道のりの違いが浮かび上がる。
我が日本では、政府が努力目標として綺麗ごとのように女性活躍を掲げはするが、実際に政党の政策として、議会における性別バランスの大幅な改善を目指し、候補者リストのクオーター制導入を具体的な政策の中に掲げている政党が、いまだに日本共産党だけとは誠に情けない限りである!
一言で言って、日本はいまだに「失われた30年」に関する根本的な問題を、マジメに「国益」を踏まえて考えることを怠り続け従来の惰性のままにあぐらをかいているのだ!
世界の女性議員割合 国別ランキング・推移 – GLOBAL NOTE