昨年2023年には円安により、ドル換算の日本の名目国内総生産(GDP)は大きく押し下げられた!
その結果、日本のGDPが2023年にドルベースでドイツを下回り、世界3位から4位に転落したのだ!
2000年以降の円のドル換算ベースの為替の推移は、以下の通りである。
2000年: 約107.77円/USD
2001年: 約121.53円/USD
2002年: 約125.39円/USD
2003年: 約115.93円/USD
2004年: 約108.19円/USD
2005年: 約110.22円/USD
2006年: 約116.30円/USD
2007年: 約117.75円/USD
2008年: 約103.36円/USD
2009年: 約93.57円/USD
2010年: 約87.78円/USD
2011年: 約79.81円/USD
2012年: 約79.79円/USD
2013年: 約97.60円/USD
2014年: 約105.94円/USD
2015年: 約121.04円/USD
2016年: 約108.79円/USD
2017年: 約112.17円/USD
2018年: 約110.42円/USD
2019年: 約109.01円/USD
2020年: 約106.77円/USD
2021年: 約109.75円/USD
2022年: 約131.50円/USD
2023年: 約140.49円/USD
2024年: 約151.14円/USD(2024年9月までの平均)
かくのごとく、特に最近の3年間では円安傾向が続いている!
今年4月には円安の影響によりインドの名目GDPが、2025年には日本を上回る見通しとなった!
国際通貨基金(IMF)の推計によると、インドのGDPは同年に4兆3398億ドル(約670兆円)となり、4兆3103億ドルの日本を抜いて世界4位に浮上する!
円安でドル換算の日本のGDPが目減りし、従来予測より逆転時期が1年早まるのである。
2023年10月時点のIMFの予測では、インドが日本を超えるのは2026年であった。
なお、つい先月9月22日にはインドのアジアにおける影響力が緩やかに拡大し、前年まで3位の日本を上回り、米国、中国に次ぐ勢力になったと、オーストラリアのシドニーを拠点とするシンクタンクであるローウィー研究所(Lowy Institute)が、「アジアパワーインデックス2024年版(Asia Power Index 2024)」において発表した。
既に今年2024年の時点で、アジアにおけるインドの影響力は日本を上回ったのである!
そんなインド経済の躍進を2000年から日本と比較して見直してみた!
まず最初に、2000年以降のインドと日本のGDPの推移をドルベースと円ベースの両方について、IMFのデータベースに基づいてまとめた。
インドのGDPの推移!
ドルベース (USD)
2000年: 約4,683.9億ドル
2005年: 約8,203.8億ドル
2010年: 約1兆6,756.2億ドル
2015年: 約2兆1,035.9億ドル
2020年: 約2兆6,716.0億ドル
2022年: 約3兆4,166.5億ドル
2023年: 約3兆5,500億ドル
2024年: 約3兆8,000億ドル(予測)
2000年から8倍である!
円ベース (JPY)
円ベースのGDPは、為替レートに依存する。以下は、各年の平均為替レートを使用して計算した概算値である。
2000年: 約50兆円 (1 USD ≈ 107 JPY)
2005年: 約95兆円 (1 USD ≈ 116 JPY)
2010年: 約140兆円 (1 USD ≈ 83 JPY)
2015年: 約250兆円 (1 USD ≈ 120 JPY)
2020年: 約280兆円 (1 USD ≈ 106 JPY)
2022年: 約447兆円 (1 USD ≈ 131 JPY)
2023年: 約497兆円 (1 USD ≈ 140 JPY)
2024年: 約573兆円 (1 USD ≈ 151 JPY)(予測)
円ベースでは2000年から11倍となる!
日本のGDPの推移!
日本の2000年以降のGDPの推移をドルベースと円ベースで示すと。
ドルベース (USD)
2000年: 約4兆7,500億ドル
2005年: 約4兆5,000億ドル
2010年: 約5兆7,000億ドル
2015年: 約4兆4,000億ドル
2020年: 約5兆0,500億ドル
2022年: 約4兆2,500億ドル
2023年: 約4兆2,130億ドル
2024年: 約4兆3,000億ドル(予測)
日本は2000年から横ばい続きである!
円ベース (JPY)
2000年: 約500兆円 (1 USD ≈ 107 JPY)
2005年: 約520兆円 (1 USD ≈ 115 JPY)
2010年: 約480兆円 (1 USD ≈ 85 JPY)
2015年: 約530兆円 (1 USD ≈ 120 JPY)
2020年: 約530兆円 (1 USD ≈ 106 JPY)
2022年: 約556兆円 (1 USD ≈ 131 JPY)
2023年: 約589兆円 (1 USD ≈ 140 JPY)
2024年: 約649兆円 (1 USD ≈ 151 JPY)(予測)
二番目に、インド国債の利回り推移を見てみる!
2000年以降、インドの10年物国債の利回りは以下のように推移している。
2000年代初頭: 約7%前後で推移。
2008年金融危機: 利回りが急上昇し、約9%に達する。
2010年代: 徐々に低下し、2013年には約6%に。
2020年代: 新型コロナウイルスの影響で一時的に上昇するも、現在は約6.75%前後で安定。
日本国債の10年物の利回りは、長らくのマイナス金利政策により0.50%近辺にあった。今年2024年3月のマイナス金利政策の解除により、先月の9月末はようやく1%に近づく0.859%である。
インド国債のように利回りが高ければ、日本人はみんな日本国債に飛びつくところである!
三番目に、インド通貨ルピーの対ドル為替レートの推移である!
2000年以降のインド通貨ルピー(INR)と米ドル(USD)の為替レートは以下のように推移している。
2000年: 1 USD ≈ 45 INR
2010年: 1 USD ≈ 46 INR
2015年: 1 USD ≈ 63 INR
2020年: 1 USD ≈ 74 INR
2024年: 1 USD ≈ 83 INR
インド・ルピーは長期的にルピー安の減価傾向にあるが、最近ではやや安定している。
四番目は、インドの株価推移である!
2000年以降、インドの主要株価指数であるSENSEXは以下のように推移している。
2000年: 約5,000ポイント
2010年: 約17,500ポイント
2015年: 約27,000ポイント
2020年: 約41,000ポイント
2024年: 約84,300ポイント(2024年9月末)
インドの株式市場は急速に成長しており、特に2000年代後半からの経済成長とともに大幅な上昇を見せている。
インドの株価は2000年から17倍となっているのだ!
日本の株価推移
同じ期間における日本の主要株価指数である日経平均株価は以下のように推移している。
2000年: 約20,000ポイント
2010年: 約10,000ポイント
2015年: 約19,000ポイント
2020年: 約23,000ポイント
2024年: 約38,635ポイント(2024年9月末)
日本の株式市場は2000年代初頭に停滞期を迎えたが、2010年代後半から回復し、今年2024年2月に実に34年振りにバブル時代の史上最高値をやっとのことで更新したのである!
5番目に、インドの失業率の推移を見てみる!
2000年以降、インドの失業率は以下のように推移している。
2000年: 約4.7%
2010年: 約5.6%
2017年: 6.1%(都市部では7.8%、農村部では5.3%)
2020年: 7.11%(新型コロナウイルスの影響)
2024年: 8.5%(2024年8月)
インドの失業率は、特に都市部で上昇傾向にあるが、農村部では比較的低い水準を維持している。最近の経済状況やパンデミックの影響も大きく反映されている。
日本の失業率の推移
2000年以降、日本の失業率は以下のように推移している。
2000年: 4.7%
2005年: 4.4%
2010年: 5.1%
2015年: 3.4%
2020年: 2.8%
2023年: 2.6%
日本の失業率は、2000年代初頭の高い水準から徐々に低下し、近年では比較的低い水準で安定している。特に2010年代後半からは、労働市場の改善が見られる。
最後に、2000年以降著しい成長を遂げて来たインド経済の主な要因と成果をまとめてみた!
主な成長要因
- IT産業の発展:
インドはITサービスのグローバルハブとして成長し、多くの雇用を創出した。特にバンガロールは「インドのシリコンバレー」として知られている。 - 人口ボーナス:
インドの人口は2023年に中国を抜いて世界一となり、特に生産年齢人口が多いことが経済成長を支えている。 - 経済改革と政策:
2014年以降のモディ政権下で、デジタル化推進や製造業振興策(「メイク・イン・インディア」など)が導入され、経済成長を後押しした。
<経済成果>
高成長率:
2021年の実質GDP成長率は9.69%、2022年は6.99%、2023年は7.83%と高水準を維持している。
名目GDPの増加:
2023年の名目GDPは世界第5位となり、2027年には日本やドイツを追い抜いて世界第3位になると予測されている。
スタートアップブーム:
インドではスタートアップ企業が急増し、革新的な商品やサービスを提供することで経済に新たなエネルギーを注入している。
<課題>
貧困と所得格差:
急成長の一方で、貧困や所得格差の問題は依然として深刻だ。カースト制度による社会的な不平等も依然として課題となっている。
インフラ整備の遅れ:
道路や鉄道などのインフラ整備が進んでいるものの、まだ十分ではなく、さらなる改善が求められている。
インド経済は今後も成長が期待されるが、これらの課題に対処することが重要である。
破竹の勢いを見せる「インド」は日本を超えるのか 市場価値は高まる一方、埋まらない貧富の格差 | アジア諸国 | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)
3分で分かる「インド経済の強さと課題」 | IFRC <一般社団法人 国際金融研究センター>
INDIA GO! | インドの生活と文化・ビジネスが分かる総合ポータルサイト (tanakkei.com)
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