東京都教育委員会のセクハラ教師懲戒処分、さらには自衛隊のセクハラ・パワハラ等に関する特別防衛監察を全組織対象での実施が決定!
またまた賑やかに、声だけのコンプライアンス強化やマニュアルの更新が叫ばれることであろう。
コンプライアンス・ラプソディ in Japan、それはいつものことである。
本来コンプライアンスとは、柔軟かつタイムリーに活用されてしかるべきものであるが、我が日本においてはコンプライアンス疲れしか引き起こさないスタイルで実施されることが多い。これが根本的な問題である。
例えば、米国のコンプライアンスならば当然のこととして、多人種・多言語・多文化の状況に基づいて作成されている。しかし、それと同じような代物では外国籍の方も増加したとは言え、ほぼ単一民族・日本語・日本文化の我国においてはあまり機能しないのが当然ではなかろうか。
グローバル化を考えるのは大事なことではあるが、それと同様に日本独自のローカル化も真剣に考えなければまったく片手落ちである。
あらためて思うに、ハラスメント対策問題の本質は、何度も同じ問題が同じような状況で繰り返されるていること、そのこと自体である。
問題が起きるたびに毎回いつも一般諭的に、「こんなことはしてはいけません!」の単なる繰り返しで誤魔化してしまうのが落ちである。
そもそも少し考えれば当り前のことであるが、学校の先生方や自衛隊の方も大多数の方は、このようなハラスメントとは縁の薄い方々であろう。
そんなハラスメントに縁の薄い方々まで巻き込んでコンプライアンスの話をするから、本来の焦点がボケてしまう。その結果、いつも一般論的な対策話に終始し効果は伴わないのである。
さらに言うと、ハラスメントにもともと縁の薄い方々にとっては、そのような警告的なコンプライアンスはいわゆるノイズでしかなく、ほとんど意味をなしていないのが実状であろう。
本来なすべき対策は、全体からすると少数派ではあるがハラスメントを起こした人や、起こしそうな可能性のある人に対して有効かつ具体的な対策を個別に実施すべきことである。
本気で対策を行う気があるならば、まず大きな組織では必ずハラスメントを監視する独立した専業専門の組織を立ち上げるべきであろう。兼業ではダメで、専業のプロフェショナルを育てることが大事である。
また小さな組織に対しては、行政や業界団体が中心となり専業専門組織を立ち上げて対応すべきかと思う。
便利なことに、今やほぼ国民全員がスマホを手にする時代である。さらにAIを使えば人手もあまりかけずにハラスメントを起こす確率の高い人の把握や、個別案件の状況把握について相当な対応が出来るのではなかろうか。
ある人がハラスメントを認識すれば、本人が間髪を入れずに当該専業専門組織へまずは連絡をすればよし!
勿論冤罪的なこともあろうが、その苦情を受け取った専業専門組織は、まずはハラスメントの可能性がある案件と捉えて迅速に動き出すべきである。
この初動段階で大いに有効と思えるのが、GAFAによるネットでの広告システムである。ネットを利用する個人の好みを分析し、それに基づく関心のありそうな広告を予想して配信している。このような個人に則した配信システムに工夫を加え、ハラスメントの疑いのある人に対し、ハラスメント防止を促す警告広告を頻繁に配信するのである。勿論、配信解除が出来ないような工夫も必要である。
なお、ハラスメントとは縁の薄い方であっても、企業においては役員や幹部には全員、学校においては校長・教頭や幹部には全員、自衛隊においては将官及び幹部には全員に対し、対策の実施状況の把握と幹部教育を兼ねて当該警告広告が配信されることは、その立場上必要であることは言うまでもない。
参考までに、防衛省によると自衛官や事務官から寄せられるパワハラやセクハラなどに関する相談件数は年々増加し、昨年度は2300件を超えている。
相談件数は、
▽2017年度が326件
▽2018年度が625件
▽2019年度が1074件
▽2020年度が1468件
▽2021年度は2311件と4年で7倍余りに増加している。
いずれの年度も、相談の9割前後はパワハラに関する内容が占めているという。
これもそもそも警告を受けるべき方々本人にシッカリと届いていないことが原因と考えられます!
こんな警告はそもそも受けるべき方本人に届いてこそ初めて成果も期待できるものです。ハラスメントと縁の薄い多くの常識ある善男善女にとっては、もともとほぼ無用に近いものであります!
蛇足ながら今週刊誌等が騒ぐ香川照之氏のセクハラ事件も、まさにコンプライアンス・ラプソディのオンパレードである。
NHKを始めとするテレビ局がすべて彼の出演番組を自粛と称し放送からカット、トヨタを始めとするスポンサー各社もCM放送を自粛と称しカット!
ハッキリ言って香川氏は日本でこそ有名ではあるが、グローバルな世界ではそれほど目立つ存在ではなく、言わばローカルな存在の俳優さんであろう。
また、問題が生じた現場はニュースによると、銀座の高級クラブとのこと。席に着くだけで一人数十万円の料金と聞くが、普通の庶民の店でそんな料金を取ると、直ぐにボッタくりだとなり警察沙汰である。ところが銀座の高級クラブでは料金が高いボッタくりだと警察に訴える人はいないようである。
庶民からすると銀座の高級クラブは、言わばリアルに存在するメタバースの世界と言える。金銭感覚がお店の方もお客の方も共に通常ではない異常な方々の集団の世界である。そんなメタバースの世界で起きたことを、我々庶民の通常の世界と同じ土俵で考えること自体にいささか違和感を覚えるのである。同じくバッシングであっても、本来はもう少し違和感の少ない、工夫されたバッシング対応があってしかるべきであろう。
さらにテレビ出演のことに触れると、昔ながらの日本の大人であれば俳優の演技は役の上のこととして見るだけである。それ以上でもなく、それ以下でもないのである。番組を見る際に、その俳優の個人的な人間性はどうであるのかなどと考える人は極めて稀であろう。
繰り返すが、コンプライアンスは日本のローカル性も考慮した上で、柔軟かつタイムリーに活用されるべきである!
エリザベス女王の驚くべき7つの規律──70年間という長きにわたり、英国王室を守り続けられた理由。 | Vogue Japanhttps://www.vogue.co.jp/celebrity/article/queen-elizabeth-disciplines
亡くなられたエリザベス女王のコンプライアンスである!
BBCの「Predator:The Secret Scandal of J-Pop」に想う!
イスラエルには慎み(つつしみ)を、パレスチナにはテロの排除を求めたい!
アンコン、ポリコレ、マイアグと「徳を積む」Cultivate Virtue!