オノマトペとは、音や声、動作などを音声化して示す方法のことである。擬音語、擬声語、擬態語の3種類がある。例えば、「ガチャン」は擬音語、「ワンワン」は擬声語、「ふっくら」は擬態語だ。オノマトペは形容詞だけでなく、名詞や動詞としても使われることがある。
オノマトペという言葉自体は、フランス語の「onomatopée」からの外来語である。フランス語の「onomatopée」は、古代ギリシャ語の「オノマトポイーア」に由来しており、これは「名前を作る」という意味があり、音や動作などをモノマネすることを指していた。そして、オノマトペという言葉は、日本語に入ってからは、擬音語や擬態語などを表す言葉として使われるようになったのである。
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日本語と英語のオノマトペでは、次のように違いがあるようだ! ①日本語では、擬音語と擬態語の両方をオノマトペと呼ぶが、英語では主に擬音語だけをオノマトペと呼ぶ。 ②日本語では、オノマトペは約4500種類あると言われているが、英語では約150種類、フランス語では約200種類しかないと言われる。 ③日本語では、オノマトペは音を直接的に字句に表しているが、英語では動詞や形容詞で表現することが多い。
例えば、日本語ではドアベルを鳴らすときの音は「ピンポン」と表すが、英語では「ding-dong」と表す。また、日本語では「ふわふわ」や「さらさら」などの感覚を表すオノマトペが多いが、英語では「fluffy」や「smooth」などの形容詞で表現するのである。
しかし、特に「日本語はオノマトペが豊富だ!」と言われているのはなぜなのだろうか? 一説によると、日本語は、オノマトペを「子どもが使う言葉」や「幼稚な言葉」として忌避していないからだと言われる。欧米ではオノマトペは、幼児語であり大人はあまり使わない傾向が強いそうなのである!
アジアの国々の言語で特にオノマトペの多い国は、日本の他には韓国や西アフリカや東南アジアの地域が挙げらる! 韓国語は特にオノマトペの多い言語として知られており、その数は約5000種類以上とも言われている。
世界ではフランスや英語圏の国々のように、大人が日常会話において、あまりオノマトペを使わない言語も少なくない!
しかし韓国語においては、日本語と同じように、ごく一般的にオノマトペが会話に登場し、ごはんをポックムポックム(パクパク)と食べる、トゥクトゥク(ザクザク)とした食感などと使われているのだ。韓国に行く際は、挨拶語とあわせて、よく使われるオノマトペを覚えておくのが間違いなくよいだろう。
日本語のオノマトペは約4500種類程度、韓国語のオノマトペは約5700種類程度と言われている。韓国語の方が日本語よりもオノマトペの種類が多いようにも感じられる。 このように韓国語のオノマトペの種類が多いと感じられる理由としては、韓国語ではオノマトペを重ねて使うことが多いからかもしれない!
つまり、「빙글빙글」(ピングルピングル)は「くるくる」という意味だが、「빙글빙글 돌다」(ピングルピングルトルダ)は「くるくる回る」という意味になる。このように、オノマトペを動詞として使ったり、動詞と組み合わせたりすることで、さまざまな表現ができるので、オノマトペの種類が自然と増えるのである。 日本語と韓国語のオノマトペは、確かに非常に似ているものが多い。これは、両言語が音と意味の有縁性を持つことによると考えられよう。
一方、中国語のオノマトペの種類は、約300種類程度で英語やフランス語よりはやや多いが、日本語や韓国語と比較すると随分と少ない!
中国語にはオノマトペが少ないのは、四字熟語や故事成語などで代用されることがあるからだとの説もある。また、中国語は音節数が少なく、声調が重要な役割を果たす言語なので、オノマトペを作りにくいという特徴があるのかもしれない。オノマトペは言語ごとに音に深く関わっているので、多言語比較することはとても興味深いことである!
なお、日本語や韓国語にはオノマトペがたくさんあるのは、動詞の数が少ないためだとも言われる。笑い方や泣き方などの細かいニュアンスを表現するために、オノマトペが発達したとも考えられる!
ちなみに、英語の動詞は、基本形と派生形と変化形を合わせて、数万語程度はあると考えられるそうである。 一方、日本語の「動詞」の数は、例えば『新選国語辞典』(第十版)では、6829語となっているが、実際には「会話する」「発見する」「食事する」のように、「する」がついて動詞として使われる語もあってもっと多いと考えられる。
韓国語の「動詞」の数は、基本形だけを見ると、約 300 語程度と少ないが、韓国語では、複合動詞を作ることで、多様な意味を表現する。複合動詞は、無限に作ることが可能だそうだ!
日本語・韓国語・アイヌ語の近縁性|LangDicLab (note.com)
【「カナナナナナナ」はなんの音?】世界各国のオノマトペクイズ | 小説丸 (shosetsu-maru.com)
韓国語のオノマトペを学ぼう!日本との違いや学び方 – ネイティブキャンプ英会話ブログ (nativecamp.net)
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