昨日1月18日の決定会合において、日銀は引き続き現状維持の長期金利上限0.50%を決めた!
日本の国債をドンとカラ売りしている海外ヘッジファンド勢が、今回日銀はさらに金利引上げへと動くと大いに期待していたにもかかわらずである。
自分たちの考えこそが合理的なのだとの思いの強い、海外ヘッジファンド勢は今後もまだまだ日本国債のカラ売りを継続させることではあろう。
「イングランド銀行を打ち負かした男!」(The Man Who Broke the Bank of England) ジョージ・ソロスを連想する連中も多いかとも想像する。
英国通貨ポンドを売り続けたソロス対自国通貨ポンドを買い続けた中央銀行イングランド銀行の戦いの結末である。
しかし、あの1992年9月16日当時のイングランド銀行には明確に「ユーロ」という誠にキツイ「縛り」が存在していた。ジョージ・ソロスはその「縛り」をまさに突き、一撃を加えて勝利したのである。
その一晩だけで、ソロスは10億ドル儲けたそうだ!
その出来事が生じる以前の1992年2月7日には、単一通貨「ユーロ」を目指す欧州連合の創設を定めた条約、マーストリヒト条約が欧州諸国加盟国において既に調印されていたのだ。
一方、今の日銀を取り巻く環境をつらつら眺めてみると、巷では政策に対する様々な批判もあるが、1992年当時のイングランド銀行のような「縛り」はどこにも存在しない。
現在、国債の発行残高は約1000兆円であるが、その内半分以上の557兆円(2023年1月10日時点)は日銀が保有しているのである。
営業毎旬報告(1月10日現在) : 日本銀行 Bank of Japan (boj.or.jp)
こんな中央銀行は、他の先進諸国には存在しない。
これは喜んでいいのか嘆くべきなのか、普通の日本人の多くにとっては実に分かりにくいのが現状でもある。
黒田総裁の任期も残り三カ月もない、今年4月8日迄である。
新しく総裁になられる方が、黒田総裁の如く腹の座った方であれば、日銀はイングランド銀行の二の舞となる可能性は低いように思える。
既に500兆円以上買っているのだから、1000兆円くらいはきっと気合で買えるはずだ!
次の日銀総裁にもフレー フレー!
参照:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ジョージ・ソロス