バリバラは「バリアフリー・バラエティーショー」の略である、NHK教育テレビの番組として放送が開始された2012年4月の当初は障害者のための情報バラエティーとしてスタート。
しかし、その四年後にはさらに対象を広げ、2016年4月からは「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティー」へと対象を拡大している。
2023年の今「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティー」にとっての“バリア”をなくす、みんなのためのバリアフリー・バラエティー番組となっている。
お堅いNHK教育テレビのEテレの中では、数少ない情報バラエティー番組でもある。
笑いの要素を織り交ぜ、障害を有する当事者たち自身自らが情報を発信しており、その心意気はこんな感じである。
「本音トークでこれまでタブーとされてきたテーマにも挑む!」
「みんな違っていいんだ、みんないいんだ!」
「多様性のある社会を、笑いを通して考えて行こう!」
まあざっとこんな風なのである。
NOTHING ABOUT US WITHOUT US! 国連勧告を受けて(1) – バリバラ – NHK
そんな番組が、今さらに益々進化している!
世界の映画の都ハリウッドにおいても、今ではリプレゼンテーションが重視される時代であるが、我々の日本は残念なことにまだまだ従来型の延長線上にある保守的な社会である。
そのことをバリバラでは、本音でストレートに繰り返し繰り返し視聴者に伝えるのである!
これが見ていて大いに心地がいいのだ!
日頃の社会に対するモヤモヤ感が、バリバラのトークを聞くと「そのとおーり!」とスカッと爽やかになるのである!
バリバラ万歳これぞ世の為人の為!である。
一番我が心に響き共感するのは、「日本社会の一般的な障碍者等への関わり方の原則が、健常者からの隔離である!」そのことが問題なんだという意見である!
例えば、成人した障碍者の方が、高校生になって初めて通常クラスで学ぶことが叶い、ようやく健常者の友達が出来てホントに嬉しかった。ずっと小学校の時から通常クラスで学びたかったという切実な思いを語る場面があった。
これはあくまで想像であるが、当時の本人の家族から相談を受けた小学校は、やんわりと通常学級よりも特別支援学級を奨めたのではなかろうかと思うのである。
今も多くの日本の小中学校では、特別支援学級や特別支援学校などの制度により、障害者は健常者の通常学級とは分けられている。つまり、見方を変えると、隔離されているのである。
もっとも、さらに昔には障害のある子どもの通う学校は、各自の障害の種類ごとに分かれていたのだ。つまり、同じような障害を持った子どもたちばかりを集めた方が、教える側としては対応が取り易いという発想であったのだろう。
ところが、2007年・学校教育法の改正により、多様な障害のある子どもをまとめてサポートする特別支援教育が生まれたのだ。
その理由とは、「複数の障害を持つ生徒」と「通常学級に在籍する6.3%の発達障害の生徒」への対応が課題となったからだそうである。
もうお分かりのように、改正のあった2007年からも障碍者原則隔離の方針は当然のごとくとされ、そのまま今も隔離状態となっているのだ。
にもかかわらず、「親方日の丸」からの説明はこうである。
「特別支援教育は、障害があるかないかに関わらず、あらゆる子どもの教育を保障し、人々が互いを尊重しながら共に生きる共生社会を目指したインクルーシブ教育を進める」のだと。
誠に「親方日の丸」らしい、自画自賛に溢れた誇らしげなキャチフレーズである!
されど、ダイバーシティとインクルーシブの両方の観点からすると、バッサリと抜け落ちている視点があるのだ。
それは実にシンプルなことである!
ダイバーシティがそっくりそのまま抜け落ちているのである!
障碍者一人一人の思いや願いが、そのキャッチフレーズのどこにも反映されていないのである!
パラリンピックの目指す効果の一つでもあろうが、健常者の人々は障碍者の現実の活躍を目の当たりにして、初めて障碍者への理解が進み始めるのである!
逆に言うと、日常的に障碍者と接することが無ければ、健常者には障碍者のことは理解しにくい。これも当たり前のことである。なぜなら、障碍者についての情報がほとんど無いのだから!
出来るだけ早く、希望する障碍者全員が小学校から通常学級に通える社会にすべきである!
これは声を大にして言いたいことであるが、健常者にとって常日頃から障碍者と身近に接することは、恐らく健常者にとって予想もしなかったなんらかのプラスの効用が必ず生れるはずである!
実に当たり前のこと、これぞ「未知との遭遇」なのだから!
キットモット「障碍のある方」にとっても、「健常者の方」にとっても、みんなが暮らし易い日本になるでー!
参照:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』バリバラ〜障害者情報バラエティー〜、特別支援教育
日本とデンマーク「似て非なる」インクルーシブ教育、共に学ぶことの真の価値 | 東洋経済education×ICT | 変わる学びの、新しいチカラに。 (toyokeizai.net)