大災害が発生し、各地の発電所が機能不全に陥るような状況を想像してみると、ふと突然あの原子力潜水艦を発電所代わりに利用できないものか?と思い立ってAIに相談してみた!
AIはこのように回答をしてくれた。
原子力潜水艦の原子炉は、船舶の推進力を提供するために特別に設計されていますが、理論的には発電所としての機能も果たすことが可能です。実際に、原子力潜水艦は海水を蒸発させて真水を生み出し、電気分解によって酸素を供給することができるため、一定の発電能力を持っています。
しかし、原子力潜水艦をそのまま発電所として利用することにはいくつかの課題があります。原子力潜水艦の原子炉は小型であり、商業用発電所に比べて発電能力が限られているため、大規模な電力需要に応えるには不十分です。また、潜水艦の原子炉は高濃度の核燃料を使用しており、陸上での使用には適さない可能性があります。さらに、原子力潜水艦の原子炉は、緊急時に海中に投棄することでメルトダウンを防ぐことができるという特性がありますが、陸上の発電所ではこのような対応は不可能です。
したがって、原子力潜水艦をそのまま発電所として利用することは現実的ではないかもしれませんが、その技術を応用した海中または水上の発電所の開発は、将来的に有効な選択肢となる可能性があります。ただし、環境への影響や安全性の確保など、慎重な検討が必要です。
原子力潜水艦の技術を陸上の発電所に応用する場合は、小型モジュラー炉(SMR)などの新しい原子炉技術が注目されています。これらは、原子力潜水艦の原子炉と同様に小型でありながら、商業用発電所としての安全性と効率を考慮した設計がなされています。将来的には、SMRが原子力発電の新たな選択肢として普及する可能性があります。現在、多くの国でSMRの開発が進められており、原子力潜水艦の技術が陸上の発電所に応用される形となるかもしれません。
海中での原子力発電所の利用には、確かにいくつかの利点があります。例えば、地震に強いことや、全電源喪失でも海水の注水が容易であること、移設が可能でメンテナンスや廃棄が容易であることなどが挙げられます。また、遠隔地での利用が可能であるため、離島などへの電力供給にも有効です。
参考までに確認しておくと原子力潜水艦の運用には、以下のような非常に高度な技術が必要である。
1. 原子炉技術: 原子力潜水艦は核分裂反応を利用して動力を得ます。このため、原子炉の設計、運用、保守に関する専門知識が不可欠です。
2. 推進システム: 核分裂によって生じる熱エネルギーを利用して水蒸気を発生させ、タービンを回してスクリューを動かすシステムが必要です。
3. 安全システム: 高い放射能を持つ原子炉を安全に運用するための厳格な安全対策とプロトコルが求められます。
4. 乗組員の訓練: 原子力潜水艦の乗組員は、特殊な環境での作業に対応できるよう、高度な訓練を受ける必要があります。
5. 環境制御: 潜水艦内の空気質を維持するための環境制御システムが重要です。これには、酸素の生成と二酸化炭素の除去が含まれます。
6. 潜航支援技術: 長期間の連続潜航を可能にするための生活支援システムや、海中での機動性を高めるための操舵技術が必要です。
7. 通信システム: 水中での通信は困難であるため、特殊な通信技術が必要となります。
これらの技術は、原子力潜水艦が長期間にわたって高速・長距離の潜航を可能にし、広範囲を効率的に偵察する能力を持つために不可欠である。しかし、これらの技術は高度な専門知識を要し、建造費や維持費も高額であるため、運用できる国は限られているのだ。
さらにAIはこのように教えてくれた!
人間の思いつく話は、みな似たモノのようだ!
現実の話として、浮体原子力発電所という概念があります。これは、水上または海中の船体に原子炉を実装した発電所です。フランスやロシアではこのようなプロジェクトが進められており、特にロシアでは「アカデミック・ロモノソフ」という浮体原子力発電所が稼働しています。このような施設は、原子力潜水艦の技術を基にしつつも、発電所としての要件を満たすように設計されています。
浮体原子力発電所は、水上または海中の船体や浮体に原子炉を搭載した発電所です。陸上の原発と比較して、地震に強く、全電源喪失の際でも海水の注水が容易であるという特徴があります。また、移設が可能でメンテナンスや廃棄が容易であり、従来の発電所が設置不可能な遠隔地でも利用可能です。
フランスの海中原発プロジェクト「Flexblue」は、フランスのDCNによって提案されました。このプロジェクトは、発展途上国の電力供給を改善することや、先進国の遠隔離島への設置を目的としていました。しかし、後に計画は中止されました。
ロシアの水上原発「アカデミック・ロモノソフ」は、自己完結型で低容量の浮かぶ原子力発電所で、原子力砕氷船で使用されていたKLT-40核推進動力炉の改良型を2基搭載しています。この施設は、最大70MWの電力または300MW分の熱エネルギーを供給し、20万人の人々が住む市への供給が可能です。また、脱塩化処理プラントに改造することもできます。
中国の海上原発では、中国広核集団有限公司(CGNパワー)が開発した小型原子炉「ACPR50S」を搭載し、中国船舶重工集団(CSIC)によって建造が進められています。この海上原子力発電所は、南シナ海の島々や石油・ガス掘削リグへの電力供給を目的としており、20基程度の建設が計画されています。
これらの浮体原子力発電所は、地震や津波の影響を受けにくい構造であり、事故時の住民避難が不要になるなど、陸上の原発とは異なる多くの利点があります。しかし、船体建造費や海中送電線のコスト、海中への固定・位置保持などの課題も存在します。これらの施設は、原子力発電の新たな形態として今後の発展が期待されています。
なお、浮体原子力発電所は、陸上の原子力発電所よりも廃炉コストが安くなる可能性も注目されるべきだとAIは言う。
原子力発電所の廃炉費用は、事故を起こしていない通常の原発であれば、約300億円が一般的な見積もりである。しかし、事故を起こした原発の場合、その費用は大幅に増加する。例えば、福島第一原子力発電所の廃炉費用は、事故の当初は約2兆円と予想されていたが、現在は約8兆円と見込まれている。
これは、福島第一原子力発電所では、廃炉対象の4基のうち、1~3号機で燃料が溶け落ち、放射性物質が放出されたことによって、作業が極めて困難となっているためである。米国のスリーマイルアイランド原子力発電所2号機の対応にかかった費用と比較しても、福島第一原子力発電所の費用は約8倍に上るのだ!
【coffee break】福島第一原子力発電所の廃炉にはいくらかかるの? 福島第一原子力発電所事故後の原子力 | 三菱総合研究所(MRI)
原子力発電所の建設コストはなぜこんなに高いのか – GIGAZINE