本日3月1日の東京株式市場で、日経平均株価は一時、前日終値に比べ800円以上上昇して3万9990円をつけ、4万円まで後10円に迫った。終値は、前日比744円高の3万9910円で、史上最高値を3営業日ぶりに更新した。さらには、今日は土日の休日を前にした金曜日であることが、今日の買ニーズの強さを物語っている!
日経平均株価が34年前のバブル期の1989年12月29日につけた終値3万8915円を超えて史上最高値を更新したのは、たった8日前の2月22日のことである。
ちまたでは、この3月中あるいは来月4月にも日銀が金融政策を変更するのではないかという見方が強まっている。
要するに、金利が徐々に復活して至極普通の状態へ戻り始めるという話である。
そこで今注目すべきは、2023年9月末の個人金融資産残高が、過去最高の2121兆円だったことである。1年前から5%増え、4四半期連続で過去最高を更新したのだ。
2121兆円あれば、もし金利が1%であるならば、1年間の利息が21兆円強となるのだ。米国並みに短期金利が5%にもなれば、利息が105兆円強となるのである。
そこで足元の銀行金利を確認すると、銀行預金は1ヶ月の定期預金から2年定期までがほぼ軒並み0.002%である。つまり、1年間の利息がたった400億円程しかないのである。
21兆円からすると、400億円は実に少ない数字である!
400億円では、個人金融資産の多くを占めるおじいちゃんやおばあちゃんたちも、お金を使うことについつい慎重にならざるを得ないのである。
しかし、それが500倍以上の21兆円になればどうであろう、おそらく財布の紐が緩くなる可能性は極めて高いはずだ!
日経平均株価が4万円に王手をかけたのは、恐らくこういう夢が実現することを強く期待しているからでもあろう!
一方、国の立場としては、1000兆円を超える国債の今後の支払いコストの増加は嬉しくはないが、長らくのマイナス金利の中では「お金を借りて利息が貰える」状況も享受したのであるから文句は言えまい。つまり、見方によれば国民個人々々が本来受け取るべきまともな利息を、マイナス金利政策により国が搾取していたと言えなくもないのだ。