「永遠に通じるものこそ常に新しい」の言葉通り、常に家族をテーマに描き続け、日本の人と心をその独自の作風のなかに捉え続けた小津安二郎監督!
今年2023年の12月12日が、1963年に60歳で亡くなられた没後60年の日であり、しかも生誕120年となる誕生日の日である。
2012年には、ウディ・アレンやマーティン・スコセッシ、クエンティン・タランティーノなど、そうそうたる映画監督がNo.1に推し、英国映画協会(BFI)の「映画監督が選ぶベスト映画」部門で1位に輝いた「東京物語」!その監督こそが小津安二郎である!
英国映画協会(BFI)では、10年に一度、投票は「映画監督」358人と「批評家」846人によってベスト作品が選ばれるようである。
2012年「映画監督が選ぶベスト映画」の結果とは、こんな具合であった!
1位:『東京物語』 小津安二郎監督
2位:『2001年宇宙の旅』 スタンリー・キューブリック監督
3位:『市民ケーン』 オーソン・ウェルズ監督
4位:『8 1/2』 フェデリコ・フェリーニ監督
5位:『タクシードライバー』 マーティン・スコセッシ監督
6位:『地獄の黙示録』 フランシス・フォード・コッポラ監督
7位:『ゴッドファーザー』 フランシス・フォード・コッポラ監督
8位:『めまい』 アルフレッド・ヒッチコック監督
9位:『鏡』 アンドレイ・タルコフスキー監督
10位:『自転車泥棒』 ヴィットリオ・デ・シーカ監督
なお、小津安二郎を敬愛してやまない世界の映画監督たちの、小津監督へのオマージュ作品にはヴィム・ヴェンダースの『東京画』、ジュゼッペ・トルナトーレの『みんな元気』、侯孝賢の『珈琲時光』、ドーリス・デリエの『HANAMI』、山田洋次の『東京家族』などがある。
例えば2013年の『東京家族』で、小津監督へのオマージュを表した山田洋二監督のお話がホンマにオモシロイ!
実は山田洋次監督は、長い間小津映画よりも黒澤映画の方を高く評価していたそうである。小津映画など「いつも同じような話ばかりで、何も起きないではないか」と批判的な見方さえしていたのであった。しかし、ある時敬愛する黒澤監督が、自宅で小津映画を繰り返し観ていることを知り大変衝撃を受けたとのこと。自分はこれまで、一体小津映画の何を観ていたのか、と恥ずかしい思いがしたと述懐されている。
今年2023年のカンヌ映画祭で役所広司さんが男優賞を受賞した、ヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』(パーフェクト・デイズ)も、小津監督へのオマージュに満ち満ちているのである!
役所さんが演じた主人公の男に与えられた「平山」という名前は、『東京物語』や『秋刀魚の味』で名優あの笠智衆さんが演じた登場人物をはじめとし、繰り返し何度も小津安二郎監督の作品に使われる名前である!
結びに、小津監督は映画音楽においては、お気に入りのシャンソンの「サ・セ・パリ」や「ヴァレンシア」をモチーフにした、明るく陽気な曲調ながらも、どこか哀愁と陰影を感じさせる「サセレシア」をたびたび使われた。
しかし、映画を離れてお酒を召し上がったときは別であった。そんなほろ酔いの折、小津監督が度々周りにリクエストされた御贔屓の一曲が、「湯島の白梅」であった!
茅ヶ崎の煌き(小津安二郎)|茅ヶ崎観光情報サイト「ちがさきナビ」茅ヶ崎市観光協会 (chigasaki-kankou.org)
山田洋次監督 小津安二郎監督を語る (2002年1月15日) | 小津安二郎の映画音楽 Soundtrack of Ozu (soundtrack-of-ozu.info)
海外の映画監督が世界No.1評価 小津安二郎監督の東京物語はなぜ名作なのか?|あおけん / terasu合同会社 CEO (note.com)