国連関係機関には、専門職以上を含めた約7万6千人の職員が勤務している。2022年末時点で、国連関係機関における日本人職員数は過去最多の961名であり、そのうち幹部(D1以上)は91名である。さりながら国連では、YPPやJPOなど、日本人の国連職員をこれからモットモット増やすための取り組みが行われているのである。
想うに古来より「和を以て貴しとなす」、すこぶる協調性の高い日本人の国際的な活躍を、最近ではますますジレンマの状況に陥っている国連関係機関は身に染みて感じ、日本の若者の参加を渇望しているのであろう!
欧米人にはよくある「オレガオレガ」の自己主張中心型では、今やそれが限界の元となって、国連関係機関が機能しなくなって来たのだ!
これからの日本の若者には、一つには本人のキャリアの為でもあるが、もう一方ではホンマに世界の為に国連職員を目指してもらいたい。機能不全になりつつある国連関係機関が、本来の機能を再びキチンと果たせるように!
国連事務局ヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)とは、国連事務局の若手職員を採用するための試験だ。日本人が国連職員になるための主な3つの方法のうち、空席公募、JPO派遣制度以外に、国連事務局に就職する方法の1つである。
JPO(ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー)は、日本政府が開発途上国等に派遣する若手専門家のことで、国際協力分野での経験を積むことができる。JPO制度は、国際協力分野での経験を積むことができる貴重な機会なのだ。
特別なポジションを除くと、一般的に国連職員と言われるポジションは5つである。管理職、専門職、一般職、フィールドスタッフ、国家職員。
管理職、専門職、フィールドスタッフが日本における一般的なイメージの国連職員を指すかと思われる。いわゆる国際職員で、様々な国で働くことが求められている。
国連職員として、一般的に最低限必要とされるのは、語学力と学位(修士号以上)、その学位の専門性である。
そのため、国連では応募条件として、「英語またはフランス語に堪能であり職務遂行が可能であること」としている。ちなみに国連の公用語は、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語、アラビア語、中国語であるが、すべての言語を習得する必要は勿論ない。
国連職員の業務の性質上、次のようなことを学生時代のうちに身につけておくと良いだろう。
1.語学: 英語またはフランス語に堪能であること、職務遂行が可能であること
2.学位:修士号以上の学位 ※一部例外あり
3.専門性:経済・会計・法律・政治・行政・農業・広報・開発・ロジステクス(物流)・調達・ITなど得意分野
4.その他:国際的なインターンやボランティアなどで現実に触れること、またそれらの経験を通じてネットワークをつくること。
また念の為に、日本人が苦手とするプレゼン力も磨いておくことも大切であろう。
なお、資格は自分のスキルを客観的に表明するのに大いに役立つ。情報システムであれば、ITILやISO20001や27001。プロジェクトマネジメントであれば、PRINCE2やPMP。会計であればCPA、監査であればISO系のLead/Internal AuditorやCIA等が挙げられる。
国連の職種やポジションによっては、明確にこれらの資格があると良い(加点される)と書いてあるのだ。
特に、国連では数多くのプロジェクトがあり、数が多い為プロジェクトのマネジメント方法も統一しなければならない。そこで国連で推奨されているのがPRINCE2である。PRINCE2は「PRojects IN Controlled Environments(管理された環境下でのプロジェクト)」の頭文字をとった用語だ。プロジェクトを管理する際も、このPRINCE2に沿った形でプロジェクト管理をすることが推奨されている。
国連職員として働く場合、最も一般的な働き方は、「任期付雇用契約」である。
原則として、1年以上5年以内の期間で、任期付で採用される。
しかし、残念ながら継続的な雇用の保障はないのだ。
ただし、任期満了の際、双方の合意の上契約が更新されることはある。
一方、「継続雇用契約」で働く職員は、「終身雇用契約」と同様、原則定年までの継続した雇用が保障されている。
しかし、「継続雇用契約」は、新規採用時に適用となることはまずないようである。
基本的には、既に職員として働いているスタッフが、ステップアップとしてこの形態を目指す、という仕組みになっているのだ。
国連職員にも、「終身雇用契約」で働いている人材もいる。
この雇用形態の場合、定年までの継続した雇用が保障されている。ちなみに、国連職員の定年は65歳とされている。
ところが残念ながら、現在では既に制度変更によりこの「終身雇用契約」は廃止されている。
既にこの形態で採用されている職員は現在も存在しているが、新規採用職員に関しては、この形態での採用は今はもうない。
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国連で推奨されているプロジェクトマネジメントフレームワーク「PRINCE2」 | Shota’s Blog (shota-kameyama.com)