ニュースでは先日2月6日に発生したトルコ南部の地震により、亡くなられた方が二万三千人を超えたとあった。
心よりお悔み申し上げる。そして日本政府が、どこの国よりも手厚い支援を実施すべきだと強く思う。
東日本大震災や阪神大震災の折、多くの国々が日本を支援してくれたありがたさを、我々日本人はいつまでもずっと心に留めて置かなければならない。日本とは、そんな国なのである!
あらためて、それはなぜなのか?は、現代地球学の科学的知見からも、ハッキリとそのことが明らかににされている!
我々の住んでいるこの地球の地面の下には、下記のごとく14枚程の大きな「親プレート」(厚さ100㎞程の岩盤)があるそうだ。
1:ユーラシアプレート(Eurasian Plate)東シベリア、インド亜大陸、アラビア半島の3地域を除く、ユーラシア大陸の地殻。大陸プレートとしては最大のものである。
2:北アメリカプレート(North American Plate)アイスランド西部、グリーンランド、北アメリカ大陸および東シベリアから東日本にかけての地殻。
3:南アメリカプレート(South American Plate)南アメリカ大陸とその東側にある大西洋の一部の地殻。
4:太平洋プレート(Pacific Plate)太平洋の海底の地殻。全プレートの中で最大の海洋プレート。
5:ココスプレート(Cocos Plate)太平洋東部、中米の沖。
6:ナスカプレート(Nazca Plate)太平洋東部の南半球部分。
7:カリブプレート(Caribbean Plate)カリブ海および中央アメリカの一部。
8:アフリカプレート(African Plate)アフリカ大陸全体とその周辺海域。
9:南極プレート (Antarctic Plate)地球の南側の面の大部分を広く覆っている。
10:アラビアプレート(Arabian Plate)アラビア半島とその周辺、アフリカプレートから分裂した。
11:インド・オーストラリアプレート(Indian-Australian Plate) – 1つのプレートであるが、インドプレート (Indian Plate) とオーストラリアプレート (Australian Plate) の2つに分けて考えることもある。インド亜大陸、オーストラリア大陸、インド洋東部、太平洋南西部および周辺諸島の地殻。
12:フィリピン海プレート(Philippine Sea Plate)東は小笠原海溝やマリアナ海溝、北から西にかけては南海トラフ・琉球海溝・ルソン海溝・フィリピン海溝などに囲まれた海洋プレートである。
13:スコシアプレート(Scotia Plate) – 簡略図では南アメリカプレートの一部とすることもある。南極プレートに隣接。
14:ファンデフカプレート(Juan de Fuca Plate) – 簡略図では北アメリカプレートの一部とすることもある。
以上が、大きな「親プレート」であるが、さらにそれらにくっつく小さな子供のような「子プレート」が40枚程度存在するという。
今まさに支援が必要なトルコ南部の地震は、アジアと欧州の境にあるトルコのほとんどは「子プレート:アナトリアプレート」の上にあるが、南部の端っこは「10:アラビアプレート」と衝突しており、2枚のプレートの境界地点に位置することから生じたと考えらる。さらに、その周辺は「1:ユーラシアプレート」と「8:アフリカプレート」との間にまるでサンドイッチのように挟み込まれた場所でもある。
一方、我が日本の位置するところとは、何とそのトルコの2枚の倍にあたる4枚ものプレートの真上なのだ!
日本列島そのものは、「1:ユーラシアプレート」と「2:北アメリカプレート」の2枚のプレート上に乗った状態であるが、その下には「4:太平洋プレート」と「12:フィリピン海プレート」の2枚がガッツリともぐり込んでいる。つまりは、4枚のプレートの真上にあると言えるのである。
日本とはこれら実に4枚ものプレートの真上にある、世界で唯一の国なのだ!
通常では有り得ないような場所に、この日本は存在している!
プレートの中でも特に、ブラタモリのタモリさんがとても大好きだといつも仰る場所、それぞれのプレートの「キワ」「境目」「境界」「端っこ」の上にあるのである。
まさにこれら4枚のプレートの上で踊る我が日本は、「踊り子」ジャパンと言えるかもしれない!
日本の下にある4枚のプレートは、それぞれが互いに影響を与え合いながら複雑に動いている。
「4:太平洋プレート」は「2:北アメリカプレート」の下にジンワリながらガンガンと沈み込んでおり。「12:フィリピン海プレート」は、「1:ユーラシアプレート」の下に少しずつジワジワと沈み込んでいるのである。
そんなプレートの境界や陸地の岩盤には、巨大な力が加わり、その力がエネルギー(ひずみ)となってドンドンと溜まっていく。
言い換えると、我々の日本列島は、地球を覆っている十数枚のプレートのうち4枚のプレートのちょうど衝突する部分にあって、世界的にも活発な「サブダクションゾーン(沈み込み帯)」のまさに最前線に位置しているのである。
日本列島は「1:ユーラシアプレート」と「2:北米プレート」の2つの大陸地殻が衝突する上にまたがっており、さらに「4:太平洋プレート」あるいは「12:フィリピン海プレート」の沈み込みによって2つの方向から常に強く圧縮されているのだ。
ごくごく最近に注目され始めた「房総沖」と「伊豆半島付近」の2ヶ所の「トリプルジャンクション」(3つのプレートが1カ所で接する)という存在は、これら4つのプレートがぶつかり、せめぎ合う場所として世界に類例がなく、日本列島がどれだけ複雑な応力場(地層にどのような力が加わっているかを示すもの)に支配をされているかを端的に示すものである。
マグニチュード7以上の地震は世界中でこの90年間に900回ほど起きているが、そのうちの10%もの地震が日本で起きているのだ!
マグニチュード8クラスの巨大地震も日本海溝や 南海トラフといった「サブダクションゾーン(沈み込み帯)」に集中し、ここでのプレートの衝突がいかに激しいかがわかる。
さらに「4:太平洋プレート」の日本列島の下への活発な沈み込みは、日本列島を世界でも有数な火山列島にしているのである。
このような日本近海のプレート運動は、日本列島の島弧に強い歪みを与え世界でも有数の地震多発帯、火山活動多発帯といった自然災害の場を形成し、また地殻の上昇も加わって、非常に脆弱な地盤をもつこの日本列島を作り上げているのである。
脆弱な日本列島 (zenchiren.or.jp)
面積38万平方kmの国土を持つ日本。しかし、その三分の二が山地などであり、1億2000万人の人々が安心して住める場所はわずかしかない。
そのわずかな平野に、人口が集中している日本であるが、実はその平野すら安定した地質ではないのだ。
日本と欧米の地質を比較してみると、日本の複雑さや、不安定さがあらためて浮き彫りとなる。
日本列島の地質は、赤色系統の花崗岩をはじめ、火山岩類および堆積岩類がモザイク模様をなしてグチャグチャと複雑に分布し、多くの断層や活火山が存在する。
これに対して欧米の地質は、各地質の1ユニットが広く分布し、断層が少なく地質構造が単調で、スッキリと安定した大陸地塊を形成している。
同じ高密度な経済活動の中心地域でありながら、西ヨーロッパ・北アメリカ東部の地形・地質はドッシリと安定しているが、日本はとてもフワフワと不安定であるという大きな相違点が存在するのである。
我々日本人は、「地震大国」日本とはこのような地質の上にあることを、あらためてシッカリと自覚し災害に備えた暮らしを日々続けていくしかないのである。
しかし、同時に日本がこのようなリスクの存在する世にも稀なる場所であるからこそ、世界中で日本人だけがずっと御先祖様から我々に至るまで、他の国には決してない豊かで美しい大自然の「多様性の恵み」を受け取って来た「大いなる恩恵」のことも決していつも忘れてはならないのである。
参照1:一般社団法人全国地質調査業協会連合会 地質関連情報web 日本の地質について
参照2:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』プレート、プレートテクトニクス
s102 : 防災情報のページ – 内閣府 (bousai.go.jp)