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「寛容さの共有」を忘れた社会の危うさ!

米国における今話題の共和党派と民主党派の過激な論争は、まさに現代の「寛容さの共有」を忘れた社会の危うさを示す最も分かり易い見本である。
日本でいうならば、安倍元首相暗殺事件や昨夕に起きた社会学者の宮台真司さんの襲撃事件も、明らかに「寛容さの共有」を忘れた社会の危うさを如実に示すものである。
それは、まるで自分と異なる意見は、間違っており悪いもので無くなってしまえばいいのだと、一方的に決めつける幼稚で利己的かつ独善的な考え方である。
勿論、これには昔と比較してそうなり易い今のネット社会の在り方が大きく影響している。

今は自分のスマホで色々なニュースや情報が手軽に即座に見られる時代、それは見た目にはさもスマートに感じられることであるが、実際にはスマホの画面は既にあなたのお好みの情報に限定されてしまっているケースが多い時代でもある。
本来まともな情報収集とは、個人の好みに合わせたものだけではないはずである。自分に好ましいものもあれば、自分が好きになれないイヤな情報も相当にあるのが当たり前なのである。
ある考え方に容易に染まり易い人たちは、異なる考え方にも配慮するという訓練が足りない、つまり自分とは異なる考えに我慢する力のない修行不足なのだ。
しかし、この「我慢する力の修行」が、今や人類80億人時代を迎えた我々には益々必要不可欠になって来ているのである。
そして、「寛容さの共有」という人類の知恵こそが、異なる考え方に対しても無理なくシナヤカに「我慢する力の修行」を実践させ継続させる原動力となるものなのである。


このように思う時、日本は江戸時代に既に一度「寛容さの共有」の実現に見事に成功した歴史を持つ世界で唯一の国なのである。

それは、ズバリ「大阪のお笑い文化」のことである!

今も日本の都会は人口密度が高いが、江戸時代に経済の中心地であった大阪の人口密度はその都市面積が狭いことから、当時すでに百万人都市であった江戸よりもさらにグッと人口密度は高かったとのことである。
そんな超過密人口の中における「人付き合いのノウハウ」として、大阪という都市が辿り着いたのが「寛容さの共有」であり、その実践ノウハウが「大阪のお笑い文化」であったのだ。
「人間とは皆なかなか我慢ができず、すぐに口論やケンカを始めてしまうもの」との問題提起に対し、その解決法として「大阪のお笑い文化」を生み出し進化させたのである。

「大阪のお笑い文化」は江戸時代に大阪に住んだ人々が、お互いの生活の心地よさ求め合うなかで到達した「寛容さの共有」の権化だったのである!

個人的な思いを言うと、今もし昔の松竹新喜劇のあの藤山寛美さんが現役バリバリでいらして、米国で1年間でも興行が出来たなら、共和党派や民主党派のみなさん共に「大阪のお笑い文化」を学び、互いの論争を今少しは次元の高い内容に高め得るはずだと思うのである。
しかし、それはもう出来ないことである。

せめて今海外へも目を向けて頑張っている大阪の吉本興業さんに「大阪のお笑い文化」のさらなる輸出拡大を期待するばかりである。

お笑いの輸出に関しては、どこの国でも規制されるいわれはないはずだから!

上方と江戸の笑いには違いがある!豪胆にして繊細、落語家・笑福亭純瓶師匠インタビュー | 和樂web 日本文化の入り口マガジン (intojapanwaraku.com)

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「安倍元首相暗殺事件」の真相究明はドコへ行った?

マスコミは一体この「異常な重大事件」の真相究明をどう考えているのだろうか?
この事件を発端に火が付いた「旧統一教会問題」は盛んに報道しているが、この事件そのものの真相を追求しようとするマスコミがどこにも見当たらないのだ。
マスコミは我々日本国民をバカにしているのか?それともたんにボケているのか?
このどちらかとしか思えない報道に終始している。

まるで事件の真相は実行犯Aの単独犯行と断定し、その理由は旧統一教会への恨み。
そこに警察当局の警備の不手際が重なりこの事件が起きた。
以上、終わりとでも言えるような報道ぶりである。

しかし、「ギョウザの王将社長暗殺事件」にも見られるように、今頃では暴力団・ヤクザの暗殺事件でさへ、主謀者は実行犯に対して犯行目的や理由などは一切何も伝えることなく、ただシンプルに目的行為の実行だけをやらせるスタイルである。

こんなご時世に、マスコミはせめて「一国の元首相が暗殺されたことの重み」を考慮した報道をなすべきではなかろうか?
ハッキリ言うと、実行犯Aの単独犯行説のみではなく、どこかの大きな組織が仕掛けた組織ぐるみの犯行説も当然検証して報道すべきではないのかということである。

これは流行りの陰謀説で言うのではない、現実に起きた「異常な重大事件」に対する最低限必要な検証の在り方として言っているのである。
例えば、今回の実行犯Aの動機解明のための手掛かりは、まるであらかじめそれらがすべて準備されていたかのようにスイスイと出て来た。
感覚的には、あたかも「1時間モノの刑事ドラマ」を見るがごとくであった。
さらに、ゴルゴ13の読み過ぎやと言われるかも知れないが、安倍元首相が銃撃される直前のニュース動画にはタイミングが良すぎる人物が二人も登場する。
特に直前動画の「台車を押して後ろを横切る男性」などは、まるで実行犯Aの共演者ではないかと見えてしまうのだ。

とにかく、「旧統一教会の問題」が以前から指摘されてきた問題であるのとは異なり、「安倍元首相暗殺事件」こそは今年7月8日に起きた我々国民にとっての「異常な重大事件」なのである。
警察に対しては当たり前であるが、いつも正義の味方を演じるマスコミにも、是非ボケずに他社とは異なる分析の報道を各社各様になすことを期待したい!

そんなマスコミの姿を国民はシッカリと見ている!

安倍元首相銃撃 警備警察官 台車に気を取られ容疑者気付かず|NHK 関西のニュース

安倍元首相を悼んで!

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ジイさんバアさんが支えるニッポン株式市場!

今朝の日経新聞の一面は、「老いるニッポンの株主」とあった。
以前から指摘されて来たことであるが、あらためて調べ直したところ、日本株式を保有する年齢構成は70代以上が40%を上回るとのことであった。
何とジイさんバアさん株主が41%以上なのだそうだ!
若い人はというと、30代の株式保有は58%が米国株、40代でも米国株保有が40%を超えるそうだ。
そして、若い人が米国株を選び、日本株を避ける理由として、日本株が成長力と稼ぐ力の両方で劣っていること、さらに投資の手軽さにも劣るということが指摘されていた。

確かにその通りである。
しかし、オモテナシをよく口にする日本において、どうして投資の手軽さがこれほどに劣る状態がかくも長らく続いているのであろうか?
どうしてニッポン株式市場は、株主に対するオモテナシに精進できていないのだろうか?

老いも若きも米国株!

ニッポン株式市場に「直ちに成長力と稼ぐ力をつけよ!」と言っても、これはすぐには無理な話である。
ところが、オモテナシはそうではない!
例え、成長力や稼ぐ力に劣るニッポン株式市場であっても、オモテナシの改善には直ぐに取り掛かれるはずである。
日本株はまず、オモテナシについての改善を図ることが急務である。

今を時めく米国株のアップルが2万円で株主になれるのに、日本株のユニクロ即ちファーストリテイリングは800万円がないと株主はなれない。
ユニクロのような銘柄、すなわち株主になるのに最低数百万円が必要な値嵩株(ねがさかぶ)は、他にもたくさんあるのがニッポン株式市場である。
このような値嵩株は、言い換えると「貧乏人排除銘柄」と言えよう!

一方、米国株であるアップルは、貧乏人を排除していない!

この両国における彼我の差は一体何なのかと思うとき、やはり真っ先に浮かぶ言葉は「ダイバーシティ」である。

要はシンプルな話である。米国株のアップルはダイバーシティを考慮した株主対策をしていて、日本株の「貧乏人排除銘柄」はダイバーシティを考慮できていないということである。
米国株はシッカリとダイバーシティ政策を、自分たちの経営戦略の中にキチンと落とし込んでいるのである。

日本株のオモテナシの改善と向上には、ダイバーシティを深く考慮し、ダイバーシティを「オモテナシ・ツール」の源泉として本気で活用する覚悟が不可欠なのである!

また、そのことが実行されてこそ、グローバル市場における成長力と稼ぐ力の向上が実現できると確信する。

ニッポン株式市場は、腹をシッカリと括って「ダイバーシティ」をホンマにマジメに内部に取り込むべき時代である!

ついに日本に投資したバフェットが教えてくれる良い人生を送るためのメソッド | バフェット帝国の掟 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

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銀杏黄葉(イチョウモミジ)の中で!

明治神宮外苑のシンボルともいえるイチョウ並木、今イチョウ祭りの真っ最中である。
イチョウの木は、東京都のシンボルの木でもある。
昨日はまさに小春日和であったので、近くの善福寺公園のイチョウの大木をまた尋ねてみた。
毎年眺める一番お気に入りのスポットは、50メートルばかり離れた少し小高い場所のベンチ、そこに座って眺めるイチョウの木全体の眺めが大好きなのである。
休日ならばたくさんの人も訪れるが、平日なので人も少なく一人占めとはいかないまでも、それに近い気分に浸れて大満足であった。
そんな銀杏黄葉(いちょうもみじ)の中には、照り映える黄金色の落ち葉の絨毯がまた何とも言えず見事であった。

亡き母が晩年趣味とした絵手紙の中には、毎年秋になると決まって与謝野晶子のこの歌

「金色のちひさき鳥のかたちして銀杏(イチョウ)ちるなり夕日の岡に」

が添えられていたことを思い出す。

そんな心地よい一時を過ごし、家に帰ってふと思ったのが万葉集ではイチョウはどんな風に詠まれていたのか?ということであった。

万葉人はイチョウの木にどんな思いを寄せたのであろうか?

ネットで調べると、万葉集遊楽というブログには万葉集その二百九十一(ちちの木は銀杏)というこんな解説があった。

古代の人たちは「イチョウ」を「ちち(乳)の木」とよび、乳が十分に出ない母親は子供が健やかに育つよう、この木に祈ったのです。

ちちの実の 父の命(みこと)  ははそ葉の 母の命(みこと)
おほろかに 心尽くして 思ふらむ
その子なれやも ますらをや 空しくあるべき
万葉集巻19-4164 大伴家持

<現代語訳>
チチの実、ははそ葉。
それはわが尊敬する父上、母上の名。
その「ちち」「はは」は、私を懸命に育てて下さいました。
そのような私はそんなに不甲斐ない子でしょうか。
いやいや、そんなことがあろうはずはありません。
ますらをたる者 日々空しくこの世をすごしてよいものでしょうか。
いやいや、そんなことが許されるはずもありません。

https://youtu.be/vHRxK5hKcbU
樹齢1200年と言われるチチイチョウ!

ところが、庭木図鑑 植木ペディアにはこう書かれていた。
日本で見られるイチョウは、中国南東部で生き残っていたものが朝鮮半島を経緯して渡来したものとされる。その時期については、仏教が伝播した飛鳥時代とする説や室町時代とする説があり、特定されていない。

さらに、全日本通訳案内士連盟のホームページではこうあった。
イチョウの木は、日本へは鎌倉時代に伝わったようで、青桐と同じように火に強く、江戸時代には火事に備えて寺や神社によく植えられたために、東京ではイチョウの木が多いのです。

鎌倉の八幡宮のイチョウは、樹齢千年と言われているので、 渡来してすぐ植えられたものと思われます。

中国では建築や彫刻に使われるだけでなく、「頭に良い」と考えられ、その葉が漢方薬として5,000年にわたって利用されてきました。肺の働きを高め、尿のコントロール、体力増強にもよいそうです。また、生命力を支えて いると言われるフラボノイドが豊富に含まれ、老人性痴呆症予防、記憶力維持に効果があるということが明らかになっています。

ドイツやフランスでは、イチョウの葉エキスが30年以上も前に医薬品として認可され、痴呆症の治療に使われて成果をあげているとのことです。
ドイツ人の医者、植物学者、旅行家であるエンゲルベルト・ケンペルが、長崎を訪れ(1690-1692)そこで初めてイチョウの木を見ました。彼は、将軍綱吉に会うため2回箱根を越えた際、箱根の自然を本に書いて 世界に紹介した人でもあります。彼の手書きの草稿は、その後、大英博物館が購入し、今はそこに保存されて います。彼は日本のイチョウの種を持ち帰って、オランダのユトレヒトの植物園に植えました。その木は現在でも 残っているそうですが、ここからヨーロッパ中にイチョウの木が広まっていったのです。ヨーロッパにある イチョウの木が、日本のイチョウの種から生まれたなんて、知らない人も多いのではないでしょうか?
イチョウの木は18世紀の中ごろドイツに移植されました。1815年、ゲーテ66歳の時に書いた有名な詩があります。

 これは 東洋からやってきて 私の庭に植えられた木の葉です
  (中略)
 もともと1枚の葉が裂かれて2枚になったのでしょうか
 それとも2枚の葉が相手を見つけて1枚になったのでしょうか
 私は1枚の葉であり あなたと結ばれていることを
 あなたはお気づきになりませんか

ゲーテは、2枚の葉が割れて1枚につながっているイチョウの葉を男女の愛の象徴とみました。彼は、ハイデルベルグの古城の庭にあった1枚のイチョウの葉をつけて、愛する女性に詩を贈ったのです。
当時は珍しいエキゾチックな木だったのでしょう。

結局、イチョウがいつから日本に存在するのかはハッキリとは解明されていないことが分かった。

しかし、そんなことは銀杏黄葉(イチョウモミジ)の中では、どうでもよいことだけは間違いなしである!

「しぐれつつ留守守(も)る神の銀杏かな」高浜虚子

1597夜 『虚子五句集』 高浜虚子 − 松岡正剛の千夜千冊 (isis.ne.jp)

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ペンタゴンには7年前までヨーダがいた!

何とニクソン政権に始まりフォード政権、カーター政権、レーガン政権、ジョージ・H・W・ブッシュ政権、クリントン政権、ジョージ・W・ブッシュ政権、オバマ政権といった歴代政権において、1973年から2015年までの実に半世紀に近い42年間にわたり、米国国防総省総合評価局局長Office of Net Assessment
the Office of Net Assessment (ONA) Directorの職責をずっと担い続けたスゴイ男がいたのだ。

スター・ウォーズの登場人物になぞらえて「国防総省のヨーダ」と呼ばれたアンドリュー・マーシャル(Andrew W. Marshall、1921年9月13日ミシガン州デトロイト市に育ち2019年3月26日バージニア州アレクサンドリアにて97歳で逝去)

アンドリュー・マーシャル、その人である!

そう!彼は52歳の時から93歳となるまで、米国国防省の中枢にあって、東西冷戦においてはソ連を崩壊へと導き、湾岸戦争では圧倒的な米軍の勝利を世界中のテレビ画面に見せつけた。

彼こそが、実に42年間ペンタゴンの長期的な安全保障戦略に対し強い影響力を保ち続けた稀有な「軍師」だったのである。

もっと我々に馴染み深い例えならば、まさに米国の「諸葛孔明」だったのだ!

そしてこの事実こそは、もっぱら合理的で効率化を追求するばかりに見える米国国防省において、ホンマに重要なことが抜け落ちてしまうリスクは常に存在することを、国防省自身がキチンと自覚出来ていたことを示すものであった。

ところが、2015年1月にアンドリュー・マーシャルが退任し、「ヨーダ」が居なくなってからの国防省はまったく変わってしまったと思えるのである。

その最たるものが、2021年のアフガン撤退の失敗である!

1兆ドルとも2兆ドルとも言われる莫大なコストを掛けた「アメリカ史上最も長い戦争」で、米国がアフガン政府に供与した大量の武器の多くまでもがタリバン側の手に渡り、あっと言う間にタリバンは壊滅どころか再びアフガン国内の権力を全て掌握してしまった。

インテリジェンス能力に劣る我が国の外務省と自衛隊が、狼狽して演じたあのお粗末な救援飛行機のあのアフガン派遣「喜劇」は、強く日本国民みんなの記憶に焼き付けられている。

そして今、勉強を続けたいと願うアフガンの少女たちや女性たちが、タリバンから命まで狙われる迫害を受けているニュース映像をテレビは情けなくも淡々と流し続けている。

さらに強く思うことは、米国国防省自身も素直に認めているあの稚拙なアフガン撤退の失敗が、今回ロシアがウクライナに侵攻した大きな引き金となったはずである!

要するに、米国国防省が長期的な安全保障戦略に基づいた方針を維持出来ず、短期的な政治家目線の方針に屈した結果が、あのアフガン撤退の失敗だったのである。

つまり、2015年1月に「ヨーダ」がペンタゴンを退いた後には、米国国防省のシッカリとした長期的な安全保障戦略を生み出す能力が、ダンダンとではあるが明らかに低下していったのである。

そして恐らく、今ロシアのウクライナ侵攻が続く中で、台湾問題の緊張もさらに増す状況を踏まえて、ペンタゴンは「ヨーダ」の必要性をあらためて痛感していることであろう。

願わくば、AIに限らずなんでも駆使してシッカリと「ヨーダ」の役割を担える「存在」を、再びペンタゴンが手に入れることを祈りたい。

それはひたすら「世界平和のために」である!

参照:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』アンドリュー・マーシャル

ヨーダはまだ立っています:ペンタゴンの未来派アンドリューマーシャル(92歳)のオフィスは予算の斧を生き延びます-ワシントンポスト (washingtonpost.com)


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経団連は北朝鮮への献金を推奨する気なのか?

日本経済団体連合会の2022年11月15日付の提言を見た。
「web3推進戦略- Society 5.0 for SDGs実現に向けて -」である。
その中に書かれていたことは、「直ちに取り組むべきこと」として、1. トークンの保有を促進、2. トークンへの投資を促進、3. トークンの流通を促進であった。

まるで国民に暗号資産の保有を推奨するかのようである!

経団連の皆さんであれば、当然御存知のはずの北朝鮮のサイバー部隊のことはお忘れなのであろうか?

何だかまるで日本国民の資産が、北朝鮮のサイバー部隊のカモにされることを推奨しているように思えるのだ。

せめて国民の皆さんがサイバー攻撃の被害に会わないよう、まずは経団連に参加する企業が率先してトークンを保有し、トークンの安全性やサイバー攻撃対策の研究に真摯に取り組むという行動を実践した後、一定水準の安全性が確認出来て初めて唱えるべきことである。

我が日本の脆弱なサイバー防衛体制に対する危機意識が、あまりにも希薄過ぎると思えるのである。

今お金に困っているはずの北朝鮮が、まるで花火大会開催中であるかのようにミサイルを打ち上げている。それが、今年に入り50発以上もである。

新聞報道によると、この50発以上のミサイルに掛かったコストは、10億ドルとも推計されている。

そして、先月10月には日米韓の対北朝鮮担当の高官が協議し、「北朝鮮はサイバー攻撃で暗号資産を盗んでいる。違法な調達を防ぐため協力しよう。」と確認したようである。

何を今更ボケた話をである!

今春4月に米国のFBIは、北朝鮮系ハッカー集団「ラザルス」が仮想通貨のイーサリアムから6億2000万ドルを盗んだと特定した。

さらに、2021年には国連の専門家たちが、2019年から2020年にかけて北朝鮮サイバー部隊は暗号資産を3億ドル以上盗んだと分析しているにもかかわらずである。

ようやく先月10月末のニュースに、防衛省が、今年3月に発足した「自衛隊サイバー防衛隊」などサイバー攻撃対処の専門部隊の要員を2027年度までに、最大5000人に拡充する方向で調整していることが分かった。その場合、現体制から5倍超となるとあった。

即ち、現状ではいまだ1000人に満たない状態なのである。

それに比べて北朝鮮のサイバー部隊は、少なくとも1万人規模である。自衛隊のサイバー防衛隊が5000人になる頃には、北朝鮮のサイバー部隊は5万人なのかも知れない。

ちなみに中国のサイバー部隊は、7年前2015年に既に17万5千人規模と言われていた。今では少なくとも30万人はいるような気もする。

なぜなら中国や北朝鮮は目に見えない世界である、サイバー空間において彼らなりの価値観に基づく実戦を行っているのだ。

勿論、それに対抗して米国や英国などは彼ら以上のことをしているはずである。

しかし、当然のことながら日本だけは憲法上からも、サイバー戦争のカヤの外にいる。但し、被害だけはシッカリ受けるという状況がある。

このように能天気でいられた日本であるが、ロシアのウクライナ侵攻が突如始まり、台湾問題も緊張を増す中、恐らくは同盟国である米国から日本もいつまでも傍観者ではなく、サイバー戦争にまともな対応が出来るよう何とかしてくれと批判が強まっているのであろう。

米国に尻を叩かれて、やっと5年後にサイバー部隊5000人体制の話が出て来たように思えるのだ。

しかし、正直5年後にはせめて最低でも1万人体制は必要だと思えてならない。

<トークンの意味が何だかさっぱり分からないのでDMM Bitcoinの解説を覗いてみた>

トークンという言葉には「商品やサービスとの引換券」や「代用貨幣」という意味があります。暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンの文脈においてトークンとは、ブロックチェーンを用いて発行された電子的な証票であり、所有者が何らかの権利を持っていることを証明するものです。
ただし、2022年6月時点では、トークンに関して暗号資産・ブロックチェーン業界で世界的に合意形成された定義はありません。

暗号資産(仮想通貨)とトークンとでは、何が違うのでしょうか?
暗号資産には単独の発行者が存在しません。そして、発行上限数量があるものがほとんどです。
一方でトークンは、特定の私企業や開発チームが発行者となる場合が多く、トークンの分配方法や分配の比率などは発行者が決定しています。イメージとしては、企業が発行する株式に近いでしょう。

トークンは独自のブロックチェーンを基盤としておらず、2022年6月現在では、多くのトークンがイーサリアムやポリゴンなど既存ブロックチェーンを利用して発行・開発されています。この中に後述のNFT(ノンファンジブルトークン)などがあります。

また、「ユーティリティトークン」と「セキュリティトークン」の大きな違いは、証券として投資性を持つかどうかです。
投資性のある「セキュリティトークン(証券型トークン)」とは異なり、「ユーティリティトークン」は投資の対象として売買されるものではなく、特定のサービスに対する支払いに使われます。

さらに、「ファンジブルトークン」と「ノンファンジブルトークン(NFT:Non-Fungible Token」という分け方があります。

特にノンファンジブルトークンは、ブロックチェーンゲームのほか、デジタルアートに利用され、2021年には流行語大賞に「NFT」がノミネートされるなど、暗号資産(仮想通貨)業界以外でも注目が高まっています。
「ファンジブルトークン」は「代替可能なトークン」であり取り替えても価値が同じものです。一方で、「ノンファンジブルトークン」は「代替不可能なトークン」で、同じものとして取り替えられないものです。

参照:株式会社DMM Bitcoinのビットコインなど暗号資産(仮想通貨)に関するコラム、トークンとは?暗号資産(仮想通貨)と同じもの?その特徴を紹介

解説を読んでも、何だか分かったようで分からないような気分が漂いつつあり(笑い)

1658夜 『サイバネティクス全史』 トマス・リッド − 松岡正剛の千夜千冊 (isis.ne.jp)

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ASEAN(東南アジア諸国連合)の人口等は今!

外務省のASEAN解説を覗いてみた!

東南アジア10か国(タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、ラオス)から成るASEAN(東南アジア諸国連合)は、 1967年の「バンコク宣言」によって設立されました。

当初の原加盟国はタイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5か国で、1984年にブルネイが加盟後、加盟国が順次増加し、現在は10か国で構成されています。

2015年に共同体となったASEANは、過去10年間に高い経済成長を見せており、今後、世界の「開かれた成長センター」となる潜在力が、世界各国から注目されています。2017年に設立50周年を迎えました。

ASEAN10か国の総面積は、449万平方キロメートル(日本の約12倍)。

ASEAN10か国の総人口は、6億5千万人(日本の約5倍)2018年現在。

<タイ>人口は日本の約半分、国土面積は1.4倍です。伝統的に柔軟な全方位外交を維持しています。14世紀中頃から18世紀頃までタイ中部のアユタヤには日本人町もあった両国の歴史もあります。

人口6,617万人(2021年タイ内務省)、国土面積51万4,000平方キロメートル(日本の約1.4倍)、宗教は仏教 94%、イスラム教 5%。

<インドネシア>人口は日本の2倍を上回り、国土面積は日本の約5倍。約2億人のムスリムを擁する世界最大のイスラム国です。さらに約300民族と言われるスゴイ多民族国家です。

人口2.7億人(2020年インドネシア政府計)、面積192万平方キロメートル(日本の約5倍)、宗教はイスラム教 86.69%、キリスト教 10.72%(プロテスタント 7.60%、カトリック 3.12%)、ヒンズー教 1.74%、仏教 0.77%、儒教 0.03%。

<シンガポール>人口は兵庫県と同じくらい。国土面積は東京の23区と同程度です。英連邦加盟国です。アジアの要衝としての存在感を示しています。

人口569万人(うちシンガポール人・永住者は404万人)(2020年)、面積は720平方キロメートル(東京23区と同程度)、宗教は仏教、イスラム教、キリスト教、道教、ヒンズー教。

<フィリピン>人口は日本よりやや少ないくらい。国土面積は日本の約8割です。ASEAN唯一のキリスト教国です。

人口は1億903万5,343人(2020年フィリピン国勢調査)、面積は29万8,170平方キロメートル(日本の約8割)7,641の島々がある。、宗教はASEAN唯一のキリスト教国。国民の83%がカトリック、その他のキリスト教が10%。イスラム教は5%(ミンダナオではイスラム教徒が人口の2割以上)。

<マレーシア>人口は東京都と神奈川県と埼玉県と千葉県を合わせたくらい。国土面積は日本の約9割です。国民の6割以上がムスリムのイスラム国です。

人口は3,270万人(2020年マレーシア統計局)、面積は33万平方キロメートル(日本の約0.9倍)、宗教はイスラム教(連邦の宗教)(61.3%)、仏教(19.8%)、キリスト教(9.2%)、ヒンドゥー教(6.3%)、儒教・道教等(1.3%)。

<ブルネイ>人口は三重県の4分の1くらい。面積はほぼ三重県と同じです。国王は宗教上の権威であるとともに、独立以来国政全般を掌握し、イスラム教を国教としています。

人口は45万9,500人(2019年)(外国人在留者含む。出典:ブルネイ財務経済省経済計画統計局)、面積は5,765平方キロメートル(三重県とほぼ同じ)、宗教はイスラム教(国教)(81%)、仏教(7%)、キリスト教(7%)、その他(5%)(出典:ブルネイ財務経済省経済計画統計局)。

<ベトナム>人口はほぼ1億人。国土面積は日本の約9割です。民族はキン族(越人)約86%、他に53もの少数民族を有する多民族国家です。また、共産党が唯一の合法政党である社会主義国です。

人口は9,762万人(2020年)、面積は32万9,241平方キロメートル(日本の約0.9倍)、宗教は仏教、カトリック、カオダイ教他。

<カンボジア>人口は大阪府と京都府と兵庫県を合わせたくらい。国土面積は日本の約5割です。人口の90%がカンボジア人(クメール人)とされています。中立・非同盟、近隣国をはじめとする各国との平和共存を掲げています。

人口は1,530万人(2019年カンボジア国勢調査)、面積は18万1,035平方キロメートル、宗教は仏教(一部少数民族はイスラム教)。

<ミャンマー>人口は日本の半分に少し足りないくらい。国土面積は日本の約1.8倍です。ビルマ族(約70%)、その他多くの少数民族を有する多民族国家です。アウン・サン・スー・チー国家最高顧問も2021年2月のクーデターで逮捕されたまま、今も軍事政権が続いています。

人口は5,141万人(2014年9月(ミャンマー入国管理・人口省発表))、国土面積は68万平方キロメートル(日本の約1.8倍)、宗教は仏教(90%)、キリスト教、イスラム教等。

<ラオス>人口は埼玉県と同じくらい。国土面積は日本の約7割です。ラオ族(全人口の約半数以上)を含む計50民族からなる多民族国家です。基本方針は、平和5原則に基づく善隣・全方位外交。その中でも、ベトナムとは「特別な関係」にあります。

人口は710万人(2019年、ラオス計画投資省)、国土面積は24万平方キロメートル、宗教は仏教。

1276夜 『海の帝国』 白石隆 − 松岡正剛の千夜千冊 (isis.ne.jp)

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戦争とは究極の人権侵害である!

ハッキリ言って、この一語に尽きる。

戦争とは究極の人権侵害である!

それにも関わらず、世界の人権団体は一体今何をしているのだろうか?
ロシアのウクライナ侵攻は既に始まってから9ヶ月になろうとしている。
世界の人権団体は、ウクライナとロシア両国における究極の人権侵害を、ただただ傍観しているだけで済ますつもりなのか?

「戦争は人権の軽視だ!」などと、どうして戦争に対しそんな優しいソフトな表現をワザワザ使う必要があるのだろうか?

ハッキリとシンプルに「戦争は究極の人権侵害だ!」とは言いたくない理由がなにかあるのだろうか?

戦争とは選ばれし指導者という立場を利用した、一部のじいさん・おっさんやばあさん・おばはんの「感情と勘定」の双方に基づいた、国のお金をたくさん使う巨大なケンカである!

しかし、それにより実際にケンカをやらされて命を失うのは両国の若者たちである!
同時にケンカのとばっちりで命を失うのが、こどもや普通の市民である!
これを両国の若者たちやこどもへの究極の人権侵害だと、ハッキリと断定しない理由はどこにあるのか?
19世紀か20世紀ならば仕方がないが、今はもう21世紀なのだ!

口先だけで本気でやらないと意味はないのだ!

世界的に有名な人権を守る団体として、アムネスティー・インターナショナル(Amnesty International)、児童擁護基金(Children’s Defense Fund、CDF)、人権活動センター(Human Rights Action Center)、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)、国境なき人権(Human Rights Without Frontiers、HRWF)などが存在するが、そのどこからも今回のロシアとウクライナの戦争における究極の人権侵害を大声で叫ぶ団体が見当たらないのが実感である。

これはどうしてなのであろうか?
有名な世界の人権団体にとって関心がある人権は、各団体にとってそれぞれに都合のよい人権だけのように思えるのだ!
だから、自分たちに都合のよい人権については張り切って声を大にして反対するが、そうではないケースでは声を潜めてしまう!
これが、大いにご都合主義に思えるのである!
有名な人権団体が守ろうとしている人権は、いわゆる「普遍的な人権」ではなく、特定の立場から見た特定の人たちの為の人権のように思えてしまうのである。

今地球全体を守るためにと、絶滅していく動物たちの種を守ろうという運動もあるが、同じ人間の命にかかわる人権すら守れない人間がホンマにそんなことが出来るのであろうか?
そんな疑問を強く感じる秋の一日である。

戦後65年を迎えて 戦争は最大の人権侵害 (めぐろ区報 平成22年8月25日号に掲載した記事です):目黒区公式ホームページ (city.meguro.tokyo.jp)

0856夜 『東ティモール独立史』 松野明久 − 松岡正剛の千夜千冊 (isis.ne.jp)

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人生は旅!

ニュクスのランタン!

たまに見るEテレの「こころの時代〜宗教・人生〜」は、番組名からのイメージ通り、いつもは円熟の世代の方々の出演が多い。にも関わらず、その回は珍しく若い女性が主人公であった。

題名は、「光に向かって」!

それは、見逃した2021年9月の再放送であった。
漫画家の高浜寛さん、彼女のアルコール依存症と作品との関係にまつわるお話であった。

高浜寛さんは、2018年に「ニュクスの角灯(ランタン)」で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。

また、2020年には同じく「ニュクスの角灯(ランタン)」で「手塚治虫文化賞マンガ大賞」を受賞した、まさに今売れっ子の漫画家である。

「ニュクスの角灯(ランタン)」は、歴史を題材にしたフィクションである。西南戦争で親を亡くした内気な少女が、長崎で工芸品の輸出入を扱う道具屋で働くことになる。そんな少女は、店主をはじめ周りの人々や、舶来の文物に触れる中で次第に成長していく。そして、ひょんなことから少女はパリに渡ることとなる。そのパリの華やかな時代の陰で、それぞれに葛藤を抱えた登場人物が織りなす日常をとおして、その少女がさらに成長していく姿を描いた作品である。

中でも、作者の高浜寛さんによる綿密な時代考証や現地取材、実際に蒐集したアンティークの知識などが豊富に取り入れられていることが「ニュクスの角灯(ランタン)」の魅力の源泉である。

題名でもある「ニュクスの角灯(ランタン)」のブローチ、夜の女神であり、戦いを終わらせる神とも言われるニュクスがランタンを手に持ち闇を照らす姿が描かれている。このアンティークのブローチがこの物語を導いていくのだ。

アルコール依存症との数年に及ぶ様々な葛藤の中で、高浜寛さんはふとある日、一つの言葉に出会って立ち直る!

それがこの、「ニーバーの祈り」であった!

God grant me the serenity

To accept the things I can not change,

Courage to change the things I can,

And wisdom to know the difference

神様私にお与え下さい

変えられないものを受け容れる落ち着きを、

変えられるものを変える勇気を、

そして二つのものを見分ける賢さを

ニーバーの祈り(ニーバーのいのり: Serenity Prayer)とは、米国の神学者ラインホルド・二ーバー(1892–1971年)が作者であるとされる。当初、無題だった祈りの言葉の通称。serenityの日本語訳から「平静の祈り」、「静穏の祈り」とも呼称される。

この祈りは、アルコール依存症克服のための組織「アルコホーリクス・アノニマス」や、薬物依存症や神経症の克服を支援するプログラム12ステップのプログラムによって採用され、広く知られるようになったという。

ニーバーの祈り」は「ニュクスの角灯(ランタン)」の中でも、大切な場面で登場する言葉でもある。

アルコール依存症を克服しようと模索する中、高浜寛さんは逃げずに自分と向き合い続けた。そして冷静にアルコールを摂取した状態では、シンプルな短編は描けるが、しっかりとした世界観を維持しながら描く長編は描けないと悟る。

まさにその時、彼女は変えられるのは自分であると勇気を出して自分を変えたのだ。

ニーバーの祈り」の言葉を実践したのである!

そして、初めての長編であった「ニュクスの角灯(ランタン)」を描き上げ数々の賞に輝いたのである。

まさに、「光に向かって!」である!

参照:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 

「高浜寛」「ニーバーの祈り」

1725夜 『ぼく自身のための広告(上・下)』 ノーマン・メイラー − 松岡正剛の千夜千冊 (isis.ne.jp)

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人生は旅!

20世紀アートを生んだLGBTQガートルード・スタイン!

誰もが日がな一日多くの情報を得て、その常識を失っている。「Everybody gets so much information all day long that they lose their common sense」

まさに今ネットに溢れる情報過多の時代を的確に表した名言だ!

誰の言葉かと気になり調べてみて驚いた!

なんとおよそ80年も前の1946年に亡くなっていた小説家・詩人のガートルード・スタインの言葉だったのだ!

ガートルード・スタイン(1874年生れ~1946年没)は、アメリカの小説家、詩人、演劇作家、アートコレクター。
ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊にあるアラゲイニー=ウェストで生まれ、カリフォルニア州オークランドで育ち、1903年29歳でパリに渡り、以後はフランスで人生を過ごした女性だ。

そんな彼女はパリの芸術サロンの主催者としても大活躍、彼女のサロンには後年有名になるパブロ・ピカソ、アーネスト・へミングウェイ、アンリ・マティス、スコット・フィッツジェラルド、シンクレア・ルイス、エズラ・パウンド、シャーウッド・アンダーソンなど、さまざまなジャンルの若い芸術家やモダニストたちが集まった。

まだ売れずに無名であった若き日のピカソやマティスたちの作品を、ガートルード・スタインはいち早く評価して購入し支援を行った。彼らはガートルード・スタインの卓越した鑑識眼を通して有名になり、20世紀を代表する画家となったのである。

作家のヘミングウェイもまたそうであった。ヘミングウェイたち20世紀前半のアメリカ人作家は「失われた世代(ロストジェネレーション)」と呼ばれているが、その名前を生み出した人物こそがガートルード・スタインであった。

彼女がパリ郊外の車工場に修理した車を取りにヘミングウェイと共に訪れた時、まだ車は治っておらず、部下の担当者に工場長が「お前たちは自堕落な世代だな」と言った時の言葉を、ガートルード・スタインはヘミングウェイたち若き作家に言い換えて「失われた世代」と表現したのだ。その言葉はヘミングウェイの長編デビュー作『日はまた昇る』の冒頭に掲げられている。

ガートルード・スタイン自身の作品の中で、特に世間によく知られている2つの言葉がある。

1つめは最も有名な言葉で「薔薇が薔薇であるということは、薔薇は薔薇であるということである」「A rose is a rose is a rose is a rose」で、これは一般的に確固たるアイデンティティの主張を意味している。

2つめが「そこにはそこが無い」「There is no there there」である。これは目指す場所にたどり着いたとしても、そこには何もなかったことが分かるというような意味である。転じて、たどり着くまでの過程の方が大切という意味ともとれる。

彼女が著した本の主題はレズビアンであった。1903年に出版した『Q.E.D.』を含め彼女の本の内容は彼女の友人たちと関わりのあるレズビアン・ロマンティック小説。また、レズビアン同士の三角関係の『三人の女』(1905–06)などが代表作である。

なお、スタイン自身がレズビアンであることカミングアウトしており、パートナーが前衛芸術家(アバンギャルド)のアリス・トクラスであった。

参照1:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
参照2:Artpedia アートペディア/ 近現代美術の百科事典
【美術解説】ガートルード・スタイン「ピカソやマティスを支えた近代美術最大のホステス」                参照3:パリ観光サイト「パリラマ」ガートルード・スタインの家

1137夜 『ゲイ文化の主役たち』 ポール・ラッセル − 松岡正剛の千夜千冊 (isis.ne.jp)


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