ヴィーガンレザー、「採食主義者の皮」とは何のこっちゃ?
はにゃ!
と興味を覚えネットサーフィンをしてみた。
すると、コメ兵の賢くオシャレを楽しむ女性のためのブランドマガジン「KOMERU」には、こんな丁寧かつ分かり易い解説があった。
ヴィーガンレザー(Vegan leather)とは、牛や馬といった動物の皮(本革)ではなく、植物や石油由来の素材で作られた人工的なレザーのこと。また、ヴィーガンとは「完全菜食主義者」という意味で、動物由来の食品や動物由来の革製品を避けて暮らしている人達を指す。
ヴィーガンレザーも本革に似せて人工的に作られたフェイクレザーの一つ。
なお、ヴィーガンレザーには、石油由来の素材(合皮)と天然素材を使ったものがある。
ここまで読んで気になったのは、やはり天然素材である。
一体どんな天然素材が、「皮レザー」に変身するのか?
なんと答えは、パイナップル、サボテン、マッシュルーム!
これらが、代表的な天然素材の三種類だそうだ。
本革に引けを取らないほど、手触りや通気性耐久性に優れているものもあるとのことだ。
具体的には、パイナップルレザーとは、主にパイナップルの葉を原料にして作られたヴィーガンレザー。ロンドンの会社アナナス・アムス(Ananas Anam)が、フィリピンで毎年大量に廃棄されるパイナップルの葉に着目して開発した。
素材名「ピニャッテクス(piñatex)」として、有名ブランドを中心に本革の代替品として使用されている。パイナップルの葉の繊維には耐久性があり、本革よりもやわらかく軽いのが特徴。着色による発色が美しいのもメリットの一つだと。
サボテンレザーは、メキシコのノバルサボテンを使用したレザー。メキシコの企業ADRIANO DI MARTIが開発し、素材名デザート/デセルト(Desserto)として販売されている。ノバルサボテンはメキシコ全土に存在し、成長に水をほとんど必要としないため、水の消費を抑えられるサステナブルな植物。サボテンレザーは通気性が良く、湿気や水分に強く耐久性に優れている。
マッシュルームレザーは、マッシュルームの菌の繊維を培養して作られたレザー。イタリアの企業、Grado Zero Espace社が開発した。素材名はMuskin。やわらかくしなやかな質感で、弾力と耐久性があるのが特徴。もともとは生物なので、完全に土に還ることができ、また”呼吸”をしているので、バクテリアの増殖を抑えらる。汗などの臭いを抑える効果も期待できると言われている。
なお、ヴィーガンレザーのメリットは本革よりも軽いため、荷物が多い人や肩が凝りやすい人におすすめ。本革は水に弱いのが特徴だが、人工的に作られているヴィーガンレザーは水に強く、汚れたら拭き取れる。さらに、ヴィーガンレザーは人工的に作られた革なので、動物を犠牲にすることもない。また、動物の飼育に必要な大量の水や飼料を消費しないので、地球環境にも優しい。
一方、ヴィーガンレザーのデメリットは素材にもよるが、本革よりも耐久性が低い。特に石油由来のPUレザーは、2〜5年ほどで表面にヒビや破れが起こりやすい。また、PUレザーは熱に弱く、暖房や直射日光があたる車内で放置すると、表面が溶ける可能性がある。石油由来のヴィーガンレザー商品は置く場所や、気温などには注意が必要。しかし、石油由来のレザーに比べ、サボテンレザーといった天然素材の新素材は、耐久性に優れているので、今後の利用が期待できるとのこと。
余談ながら、サボテンというと、ついメキシコの強いお酒「テキーラ」を思い浮かべたが、あらためて確認すると、テキーラの原料はアガベであり、アカべとは多肉植物の一種で見た目はアロエに似た大きな植物とのことで、サボテンとは異なると知った。
閑話休題、世界の人口を振り返ると1900年には16億人程度であったものが、百年と少しで5倍となり本年末には80億人に達するとのことである。
この増加する人間が行う自然破壊により、人間以外の多くの動物が減少している。そんな中でバッグやカバンにコートにと、生きた動物を殺して製品化するというのは、もはや物理的にも不可能になりつつあると思える。
もはや動物愛護などという余裕のある状況ではなく、もっと切実な思いから、多様な製品の素材のことも日々考える必要があるとつくづく感じた次第である!
何か革製品を購入する際には、ヴィーガンレザーを是非購入したいと思うようになってきた。
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