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ネアンデルタール人でノーベル賞!

今年2022年のノーベル生理学医学賞はスバンテ・ペーボ教授!
「絶滅した人類のゲノム(全遺伝情報)と進化に関する発見」がその授賞理由である。
具体的には、ネアンデルタール人のゲノム解析を行い、今の人類が絶滅した旧人類の遺伝情報を受け継いでいることなどを明らかにしたのである。
スバンテ・ペーボ教授は、ドイツ・マックスプランク進化人類学研究所の教授であり、かつ日本の比類なき大学院大学である沖縄科学技術大学院大学(OIST)の教授でもある。
沖縄科学技術大学院大学(OIST)とは科学分野の5年一貫制博士課程を置く学際的な大学院大学である。

スバンテ・ペーボ教授が絶滅した人類のゲノム(全遺伝情報)を発見するには、気の遠くなるような手間のかかる数多の努力が必要であった。
古代DNAの解読のためには、幾つもの高い壁を乗り越えて行く必要があったのだ。まず最初に大きな問題となるのが、死後に外界から侵入した様々な生物のDNAとネアンデルタール人のDNAを区別することである。一番最初にゲノム解析が行なわれた際には、ネアンデルタール人の骨から取り出したDNAの95%から99%は微生物由来のDNAだったという。
また、さらなる大問題は、当然のことであるがDNAも時間が経てば変性し、断片化して行き、ついには完全に分解してしまうことである。

スバンテ・ペーボ教授の発見によると、明らかにネアンデルタール人と現代人でアミノ酸配列が異なっている具体的な遺伝子は全部で6つしかない。
要するに、私たちとそれほど違わない。
違いの6つのうちの3つは、皮膚の構造に関わる遺伝子である。氷河期にヨーロッパで生き抜いたネアンデルタール人を知る上で重要な手がかりになると考えられるとのこと。
さらに、ネアンデルタール人のゲノムを、アフリカ人、ヨーロッパ人、アジア人と比べると、ネアンデルタール人とヨーロッパ人、アジア人との距離はほとんど同じなのに、アフリカ人だけは遠い事がわかったのである。

(参照:JT生命誌研究館顧問の西川伸一さんの2014年「ネアンデルタール人のゲノムからわかった事」)

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2011年のTEDです!

2021年2月21日のテレ朝ニュースにはこんな話があった。新型コロナが重症化するのを“予防する”遺伝子は別の研究グループによってすでに特定されていた。現代人の12番染色体の上にあり、新型コロナで重症化するリスクを約20%低下させる働きがあるという。スバンテ・ペーボ教授らは、この遺伝子が、ネアンデルタール人に由来していて、新型コロナウイルスが感染した細胞の中で、ウイルスの遺伝情報を分解する酵素の働きを高めていることを発見したと発表した。

また、スバンテ・ペーボ教授によるとこの遺伝子は、アフリカ以外に住む、約50%の人が持っているとのこと。
我々日本人もおよそ30%の人が保有しているという。

その一方で、2020年にスバンテ・ペーボ教授達のグループが発表した研究報告で、現生人類(ホモ・サピエンス)が約6万年前にネアンデルタール人と交雑した際にネアンデルタール人から受け継いだ遺伝子変異があり、その変異を持つ者は新型コロナウイルス感染症の原因となるウイルスに感染すると人工呼吸が必要になるような重症化する可能性が高くなると指摘した。
さらに、スバンテ・ペーボ教授は今年の講演で「ネアンデルタール人が持っているこの変異型のために、100万人以上多く死亡している」と述べた。

この「重症化」遺伝子はヨーロッパでは最大16%、インドやバングラデシュなどの南アジアは、なんと最大60%の人がこの遺伝子を受け継いでいるという。
逆に、日本や中国など東アジアの人々は、この遺伝子を持っていないとされる。

つまり、ヨーロッパや南アジアの人たちが「重症化」遺伝子と「予防」遺伝子の両方を持つのに対し、日本人など東アジアの人は「予防」遺伝子しか持っていないというのだ。
なお、「重症化」遺伝子は「予防」遺伝子より5倍ほど影響力が強いとしている。

1672夜 『心の先史時代』 スティーヴン・ミズン − 松岡正剛の千夜千冊 (isis.ne.jp)https://1000ya.isis.ne.jp/1672.html

作成者: 鈍偶斎

還暦は過ぎたるも、心は少年の如くありたいと願っています!


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