「道」
この道をゆけばどうなるものか、危ぶむなかれ、
危ぶめば道はなし、踏み出せばその一足が道となり、
その一足が道となる。迷わず行けよ 行けばわかるさ。
天才プロレスラーかつ希代のエンターテナーであったアントニオ猪木さんが、1998年4月4日の引退記念試合後のスピーチで引用し披露した詩である。
この「道」には、何度元気を貰ったことか!
その燃える闘魂が、今日10月1日の朝燃え尽きるが如くに逝かれた!
あの「元気ですかー! イチ ニイ サン ダアー!」は、もうライブでは見れないのである。
還暦を超えた世代ならばよく知るコメディアンの財津一郎さん風に言うと、「ヒジョーニ サミシイー」という心境である。
ホームグランドのプロレスは勿論のこと、1976年にはあのオバマ元大統領も少年の頃から憧れ続けた世界のモハメッド・アリ、その世界的スーパースターのアリが現役のプロボクシング世界ヘビー級統一チャンピオンの際に、アントニオ猪木は「格闘技世界一決定戦」まで実現させてくれたのである。
それも開催場所は東京の日本武道館であった。
日本のみならず世界の多くの人々がテレビにかじりついた記憶が今も鮮明に蘇えって来る。
なお、後日感動したのはアントニオ猪木の引退記念試合に、そのマホメッド・アリが何とパーキンソン病で体が不自由になっていたにも拘らず無理を押して来日、リングに上がり猪木に花束を贈呈した姿であった。
そんなことを思い返すと、やはりアントニオ猪木さんは彼岸においても、あの「元気ですかー! イチ ニイ サン ダアー!」をやっておられるかとも思えて来る。
ただただ合掌である!