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最近よく目にする地政学(Geopolitics)とは何なのか!

グローバル化する現代社会では、世界各国におけるエネルギー資源の供給ルートや貿易ルート、国境を巡る紛争など、各国の地理的な要因によって生じる国際問題の発生リスクが年々ますます高まっている!

そんな状況から最近よく目にするのが、地政学(Geopolitics)である!

地政学を理解するために重要な理論をいくつか見てみた!

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1:マッキンダーの「ハートランド理論」: この理論は、ユーラシア大陸の中央部(ハートランド)を支配する国が世界の支配権を握るというランドパワー理論の中心となるものである。

ハートランドとは、シーパワーが到達し得ない海から隔絶された陸の聖域として考えられ、ハートランドこそがランドパワーの根拠地であると論じたのだ。

2:スパイクマンの「リムランド理論」: この理論は、ユーラシアの沿岸地域(リムランド)を支配することが重要であり、この地域をコントロールする国が世界の覇権を握るというものである。

すなわち、ハートランドの周辺地帯でハートランドの力の基礎となり、かつシーパワーの影響が及んでいる地域、すなわちランドパワーとシーパワーの接触している地域を「リムランド」と名付け、この「リムランド」が地政学的に重要だというものである。

この理論を実践した国としては、特に冷戦時代において米国がリムランドに対して積極的な関与を行った。米国は、ソビエト連邦のハートランドからの影響を食い止めるために、リムランドに軍事的・経済的な支援を提供し、封じ込め政策を実施したのだ。

近年では2022年から続くロシアのウクライナ侵略は、リムランドに位置するウクライナが、ハートランド(ロシア)の勢力拡大の試みに直面しているとも解釈できる。

これら1と2がいわゆる、古典地政学理論である!

3:ミアシャイマーの「オフェンシブ・リアリズム」: 国際政治の力学を説明する理論で、国家は他国に対する攻撃的行動を取ることで安全を確保しようとする傾向があると主張している。

今も続いているウクライナ侵略について、プーチン大統領は「オフェンシブ・リアリズム」の実践であると主張している!

ガザで虐殺を行うイスラエルのネタニヤフ首相もまったく同じ主張である!

4:ハンティントンの「文明の衝突」: 文化や文明の違いが国際政治の主要な対立の源泉となるとする理論である。特に、異なる文明間の紛争が未来の国際関係に大きな影響を与えるとしている。

5:コヘインとナイの「相互依存理論」: 現代の国際関係における相互依存の重要性を強調する理論で、国際協力や相互依存が国家間の関係を安定させると主張している。

以上3,4,5はいわゆる現代地政学理論理論である!これらを学ぶことで、地政学の基本的な枠組みを理解し、国際関係の動向をより深く洞察できるようになるだろう。

次にあげるのが、いわゆる海洋国家(シーパワー)の古典地政学理論である!

6:アルフレッド・セイヤー・マハン (Alfred Thayer Mahan)
「海洋覇権理論(Sea Power Theory)」: マハンは、海軍の力が国家の覇権において重要であると主張した。彼の理論によれば、海上輸送路の支配、強力な海軍の保有、そして重要な海軍基地の設置が国家の繁栄と安全保障に不可欠とされている。特に以下の点が強調されている!

(1)海上貿易の保護: 海軍の強さは、貿易ルートの保護と拡大に直結する。

(2)海軍基地の設置: 重要な戦略拠点に海軍基地を設置することで、海上覇権を維持。

このマハンの「海洋覇権理論(Sea Power Theory)」は、19世紀の米国の海軍提督であり、軍事戦略家でもあったアルフレッド・セイヤー・マハン が提唱した理論である。
米国はマハンの理論をみごとに実践し、大英帝国の後を継いで20世紀半ばから現在にかけて世界最大の経済力と軍事力を有する国家となったのである!

ここ最近では、中国が目立ってこの理論を大いに実践している!

もちろん、今のところは米国の方に一日の長があるようには見えるのだが!

なお、もう一つ重要な大陸国家(ランドパワー)の古典地政学理論をあげる!

7:カール・ハウスホファー (Karl Haushofer)
「地政学理論(Geopolitik)」: ハウスホファーは、地理的な要素が国家の政治的運命に与える影響を強調した。彼の理論は、国土の広がり、資源の豊富さ、そして地理的位置が国家の力と存続に重要であるとしている。彼は特に以下の点を強調した!

(1)大陸ブロック理論: 大陸の中心地を支配する国家が世界の覇権を握る。

(2)生存圏(Lebensraum): 国家の発展には、十分な空間と資源が必要であり、これを確保することが重要とした。

カール・ハウスホーファーの「地政学理論」は、ナチスドイツのアドルフ・ヒトラーの政治思想に大きな影響を与えた!
ハウスホーファーは、地理的要因が国家の政治的行動や国際関係に与える影響を強調し、特に「生存圏」(レーベンスラウム)の概念を提唱した。この概念は、ドイツが生存するためには領土を拡張する必要があるとするもので、ナチスの政策に取り入れられたのであった!

さらに今では、ロシアによるウクライナ侵略についてプーチン大統領がこの理論も盛んに主張しているのである!

もちろん、ガザで虐殺を行うイスラエルのネタニヤフ首相もまったく同じ主張である!

なお、最新の地政学理論の一つに「グローバル・シフト理論」がある!
この理論は、世界の経済的、政治的、軍事的な力が従来の「西洋中心主義」から「多極化」へとシフトしていると主張する。
具体的には、米国を中心とした西洋諸国の影響力が徐々に低下し、中国、インド、ブラジルなどの新興国が経済的・政治的に台頭しているという見解である!

結びに、地政学とは欧米の見解に基づく考え方であることをシッカリと踏まえながら、ユーラシア大陸の中央部(ハートランド)の歴史を振り返ってみる!

ユーラシア大陸の中央部(ハートランド)を支配した歴史上の帝国を年代順に挙げると、以下のようになる!

1:アケメネス朝ペルシャ帝国 (550-330 BCE): アケメネス朝は、ハートランドの一部を支配し、広大な領土を持っていた。

2:ローマ帝国 (27 BCE-476 CE): ローマ帝国は、ユーラシア大陸の一部を支配し、特に東方領土を拡大した。

3:東ローマ帝国 (330-1453 CE): 東ローマ帝国は、ハートランドの一部を支配し、長期間にわたりその地域を統治した。

4:モンゴル帝国 (13世紀): モンゴル帝国は、ハートランドの広大な地域を征服し、その影響力を拡大した。

5:オスマン帝国 (1453-1922): オスマン帝国は、ハートランドの一部分を支配し、その地域を含めて強大な力を持った。

6:ロシア帝国 (1721-1917): ロシア帝国は、ハートランドの大部分を支配し、その地域を中心に強大な力を持った。

7:ソビエト連邦 (1922-1991): ソビエト連邦は、ハートランドの大部分を支配し、冷戦期においてその地域を重要な戦略拠点としていた。

これらの帝国は、ハートランドの重要性を認識し、その地域を支配することで世界の覇権を目指したのである!

他にはアレキサンダー大王、アショーカ王、そしてムガール帝国もハートランドの一部を支配した。

1:アレキサンダー大王 (Alexander the Great): 彼は紀元前330年にアケメネス朝ペルシャを征服し、その後中央アジアにまで進軍した。彼の帝国は一時的にハートランドの一部を支配した。

2:アショーカ王 (Ashoka): アショーカ王は紀元前268年から紀元前232年までマウリヤ朝を統治し、インド亜大陸の大部分を支配した。彼は非暴力と仏教の普及を推進した。

3:ムガール帝国 (Mughal Empire): ムガール帝国は16世紀から18世紀にかけてインド亜大陸の大部分を支配した。彼らは特に北インドのハートランドを中心に強大な力を持った。

これらの帝国も、ハートランドの重要性を認識し、その地域を支配することで世界の覇権を目指したのである。

地政学 – Wikipedia

現代の地政学を学ぶ『地政学』の紹介|武内和人|戦争から人と社会を考える

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作成者: 鈍偶斎

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