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水の事故を防ぎ、海や川や湖で安全に泳ぐ為の日本の知恵!

猛烈に暑い今年の夏、海や川や湖へ出かける人は多い!

そして今、悲しいことに毎日のように水の事故が各地で増えている!

そこで、これほどに水の事故が増えるのを防ぐ方法はないのか?あらためて考えてみた。

思い出したのは、日本の昔からの泳ぎ方である!

日本には連綿と受け継がれている泳ぎ方がある。川や湖、海など地域それぞれの水域に適した形で発達した「日本泳法」である。現在は13の流派が存在する。
日本泳法の技術は本来、海、川、湖など自然の中で実践されるものである。実は、大海原で泳ぐ際、競泳の泳法だとすぐに疲れてしまうが、大自然の力も借りて波やうねりもうまく利用する日本泳法なら、長時間にわたって泳ぎ続けることができるのである。

その「日本泳法」の泳ぎ方を海、川、湖それぞれについて簡単にまとめてみた!

<海での安全な泳ぎ方>

1. まずは岸と同じ向きに泳ごう!
波に背を合わせると楽に進める。沖(沖合)へまっすぐ行くと流されやすいから、岸と平行(へいこう)に泳ぐんだ。

2. 波のてっぺんをまたぐように泳ごう!
波のいちばん高いところ(波頭)をまたいで進むと、疲れにくいんだ。

3. 「音が静か」なところには近づかない!
波の音が小さく聞こえる場所は、強い流れ(離岸流)があるサイン。そこには入らないようにしよう。

4. 小さな木や枝があれば浮きにしよう!
小さな流木(りゅうぼく)や浮き袋のかわりになるものをつかむと、息がつぎやすい。古式泳法(日本古来の水術)では、浮力を得やすい大木や葦の束を携えることもあったのだ。

5. 必ず大人といっしょに泳ごう !
子どもはひとりでいかないで、大人の人のそばで泳いで。そして、波が寄せては返す「引き波」の方向を読み、戻る流れを利用して岸に戻ろう。

<川での安全な泳ぎ方>

1. 下流(川の下のほう)や岸ぎわから入ろう !
流れがゆるやかな場所をさがして、そこから入水(にゅうすい)しよう。地元漁師や鮎師が「浅瀬を見極めて泳ぎ場を選ぶ」と伝えた知恵を生かそう。

2. 流れにのって平行に泳ごう!
流れを止めようとせず、体の向きを流れと平行にすると、ラクに進める。深浅や流速が刻々と変わる川では、「流れを横断せずに下流方向へ流れに乗る」泳法が安全。

3. 足が届くところで練習しよう!
はじめは浅い「瀬(せ)」で流れの強さをかんじてみよう。

4. 岩(いわ)の下流側に近づかない !
小さな渦(うず)ができやすく、もまれると危ない。

5. 大人と手をつないで泳ごう !
子どもは流れに流されないように、必ず大人といっしょに。

<湖での安全な泳ぎ方>

1. 風の来る向きから入ろう !
風上(かざかみ)から入ると、波が背中をおしてくれる。
                    
2. 波に逆らわず、少し斜め(ななめ)に泳ごう!
波を正面から受けずに、少し横を向いて泳ぐと安定する。湖は風波と場所による湧き水の影響で水流が複雑。浅場から徐々に慣れ、波に逆らわず角度を取るのが伝統的手法。

3. 湖底(こてい)の石や草むらの近くはそっと通ろう!
急に深くなったり、ひっかかることがあるから注意。

4. 葦(あし)や小さな浮き袋を浮きにしよう !
疲れたらつかんで、ひと休みできる。

5. いつも大人といっしょに泳ごう !
子どもはひとりで遊ばず、そばで見てくれる人といっしょに。

さらに欲を言えば、江戸時代から伝わる立ち泳ぎ「十方構え」で、四方どこでも泳げる柔軟な体勢を身につけておくとさらに安心だ!

十方構え(じっぽうがまえ)とは、立ち泳ぎをしながら水の上や中で体をじょうずに動かせるポーズのことだ。
「十方」は東西南北(ひがし・にし・みなみ・きた)に、斜め4方向と上下を合わせた10の方角のことを言う。

どうやって十方構えをするのかを以下に、簡単に説明する。

  1. 胸(むね)を張って、背中(せなか)をまっすぐにする。
  2. 両手(りょうて)を左右にひろげて、水をつかむように手のひらを向ける。
  3. 両足(りょうあし)を肩くらいの幅に開いて、ひざを少し曲げる。
  4. この姿勢(しせい)のまま、手や足で水を押したり掻き回しながら、好きな方向に体を動かしてみる。

なんで十方構えが大事なのか?

どの方向(ほうこう)にもすぐ進めるようになる。
波(なみ)や流れがあるときも、バランスをくずしにくい。

まずは水かき(バタ足)や手の動きをゆっくりと立ち泳ぎを練習してみよう。慣れてくると、どんな泳ぎでも上手になれる!

日本泳法 – Wikipedia

なぜ180種もの泳ぎ方が? │77号 みんな、泳いでる?:機関誌『水の文化』│ミツカン 水の文化センター

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