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How Democracies Die?民主主義は今後も生き残ることは出来るのか!

民主主義とは、国民各々の意見が正当に反映される政治体制のことである!

民主主義は、人類が長きにわたり追求し、発展させてきた政治体制であり、その終焉は歴史上、しばしば軍事クーデターや革命といった劇的で暴力的な出来事として認識されてきた。

しかし、現代における民主主義の終焉は、その様相を従来のパターンから大きく変化させ、より静かで、より目に見えにくい形で進行する傾向が益々強まっているのである!

一体、民主主義は今後も生き残ることは出来るのであろうか?

今から四年以上前の2021年2月のことだが、英国のEconomist誌傘下の研究所、Economist Intelligence Unit (EIU)が、分かり易い2021年版Democracy Index (民主主義指数)を発表した!

この指数は、(1)「選挙プロセスと多元主義」(2)「政府が機能しているか」(3)「政治参加」(4)「政治文化」(5)「国民の自由度」といった5項目で採点を行い、167ヵ国における民主度を、①「完全な民主主義(Full democracies)」、②「欠陥のある民主主義(Flawed democracies)」、③「混合政治体制(Hybrid regimes)」、④「独裁政治体制(Authoritarian regimes)」という4レベルに分類されている。

経済の発展とともに、世界の民主化度合は着実に進んでいると考える人は多いだろうが、実際には「民主主義」に分類される国の数はこの10年間で明らかに減っていたのだ!

すぐに思い浮かぶイメージには、中国やロシアのように政治的リーダーへの言論を、「公序良俗」や「国家安全」などを理由にして自国民を幅広く取り締まる政治手法がある。この手のやり方は、共産主義圏の国々や中東の王制国家等でよく見られる、典型的な独裁的政治体制の特徴なのである。

Democracy Index (民主主義指数)によると、この10年で「完全な民主主義」から「欠陥のある民主主義」に変わっていたのが、驚くなかれ米国、スペイン、チェコ、マルタ、ベルギーであった。

米国に関しては、なんと今から9年も前に「米国民の政治システムに対する信頼が著しく低下したため」との理由で、2016年から「欠陥のある民主主義」に分類されていたのである。

そして、この10年で「独裁政治体制」となった国は、ベネズエラ、ニカラグア、カンボジア、ニジェール、マリ、レバノン、キルギス、イラク、モザンビーク、パレスチナであった。

クーデターが起きたマリのような国もあれば、徐々に独裁色を強めたベネズエラのような国もあるのだ。

2021年当時の世界人口は約78億人であったので、「完全な民主主義」または「欠陥のある民主主義」の国に暮らす人の数は、世界全体の46%の36億人。自由の度合いが低い「独裁政治体制」または「混合政治体制」に暮らす人の数は54%の42億人であった。

つまり、世界中で民主主義の国で暮らす人の数は、そうではない国で暮らす人の数よりも6億人も少ないのが現実なのだ。
あらためて皆さんが持っていたイメージと一致するであろうか?それとも、民主主義が世界では多数派ではないことに驚きをもたれたであろうか?

ベストセラーになったスティーブン・レヴィツキーとダニエル・ジブラットの著書『民主主義の死に方(How Democracies Die)』が指摘するように、民主主義はもはや外部からの武力によってではなく、選挙で選ばれた指導者によって、その制度の「うわべだけは保ちながら、中身を骨抜きにする」というスタイルで、ゆっくりと、そして静かに破壊されることが多いのである。
この「合法的な独裁」への移行は、政府の動きが「民主主義をよりよいものにする取り組みだと描かれるケースも多い」ため、多くの人々にとってその危険性が認識されにくいという誠に悲しく忌々しい特徴がある 。

社会に警鐘を鳴らすものがほとんどないまま、民主主義への浸食が気づかぬ間に進行してしまうのである!

古代ギリシャの哲学者プラトンもまた、民主制が行き過ぎた「自由」の極みに達すると無政府状態がはびこり、その混乱の中から民衆指導者、すなわち強い独裁者が生まれてくる可能性を指摘していた !

これは、現代の「合法的な独裁」への移行が、歴史的に見ても民主主義が内包する脆弱性と関連していることを示唆している。

民主主義の健全性は、その現実の「運用」に大きく依存するという深い理解が広く世界の人々に求められる時代へと移行しているのだ!

民主主義の「死」は、もはや劇的なクーデターによってではなく、選挙で選ばれた指導者による制度の「合法的な」骨抜きという、静かで漸進的なプロセスによって進行するという認識が、現代の民主主義防衛の出発点となる。この浸食は、多くの人々にとって目に見えにくく、民主主義の制度自体が独裁者の「政治的武器」となりうるという逆説的な状況を生み出しているのだ!

民主主義の「死」のメカニズムの核心には、「相互的寛容」と「制度的自制心」という非公式な規範、すなわち民主主義を守る為の「ガードレール」の喪失がある!

この「ガードレール」の強度が弱まると、政治的二極化が深化し、ポピュリズムが台頭する温床となるのだ。

今の米国を見れば、この「ガードレール」の強度が弱まるとどうなるかが、実によく分かるはずである!

ポピュリスト指導者は、大衆の不満を背景に権力を掌握し、対立相手を「敵」と見なし、司法やメディアといったチェック機能を巧妙に無力化していくのだ。

今のロシアやベネズエラやハンガリー、そして第二次世界大戦前の日本やドイツといった事例は、異なる背景を持つ国々で、この「合法性と漸進性」という共通のパターンが繰り返されてきたことを明確に示している。

民主主義の危機を示す警告サインは、分かり易い独裁主義的行動の4つのポイント、即ち①民主主義的ルール軽視、②対立相手の正当性否定、③暴力の許容・促進、④自由の抑圧、に集約される!

これらのサインは単独で現れるのではなく、相互に連動し、民主主義の基盤を複合的に脆弱化させる。特に、メディアの独立性への脅威や情報操作、司法の独立性への介入は、権力濫用への歯止めを失わせる深刻な兆候である。

民主主義を防衛するためには、政治家、制度、市民社会、そして国際社会が一体となった多角的なアプローチが不可欠なのだ!

まずは、規範の再構築、特に「相互的寛容」と「制度的自制心」の回復が、健全な政治文化の基盤となる!

そして、憲法、司法、選挙制度といった制度的枠組みの強化は、権力分立とチェック・アンド・バランスを機能させる上で不可欠である!

さらには、市民社会の活発な活動と、情報リテラシーを核とした民主主義教育の推進は、市民が民主主義の「門番」としての役割を果たす上で極めて重要だ!

なお、デジタル化時代におけるフェイクニュースや世論操作といった新たな脅威に対しては、プラットフォーム事業者の協力や法整備を含む包括的な対策も大いに求められる!

最後に、普遍的価値を共有する国際社会との連携は、グローバルな民主主義の防衛において不可欠な要素となるのだ!

民主主義とは、一度確立されれば永続するものではなく、常にその運用と維持に意識的な努力を要する脆弱なシステムであること、まるで古代ギリシャ神話の「シーシュポスの労働」のごとき終わりなき作業であることを、深く我々自身が自覚する必要があるのだ!

民主主義の静かなる死を防ぐためには、政治家、制度、そして何よりも市民一人ひとりが、その価値を認識し、積極的に関与し続ける不断の努力と覚悟が求められている!

要するに民主主義とは、維持しながら適切に運営する為に、大いに手間暇のかかる複雑で壊れやすいシステムなのである!

だからこそ、民主主義は愛おしく素晴らしいものなのだ!

民主主義は世界の王道か?対ロシア国連決議から考える | 【公式】スペクティ(株式会社Spectee)

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鈍偶斎

還暦は過ぎたるも、心は少年の如くありたいと願っています!

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