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日本を追い越すように加速する中国の高齢化問題!

つい先日の厚生労働省の発表によると、去年2024年の1年間に国内で生まれた日本人の子どもの数は68万6061人となり、前年より4万1227人減少した。
出生数が減少するのは9年連続で、1899年に統計を取り始めて以降、初めて70万人を下回った!
また、出生数はすべての都道府県で減少している。
国立社会保障・人口問題研究所がおととし公表した将来予測では、日本人の出生数が70万人を割り込んで68万人台になるのは2039年と推計しており、想定よりも15年ほど早く少子化が進行しているのである。

日本の老年人口(65歳以上の人口)は、約29.3%(2024年時点)と、今や間違いなく世界一の超高齢社会である!

早い話、日本人は三人に一人がジイさんかバアさんなのだ!

高齢化の現状を表す指標として、老年人口(65歳以上の人口)割合が全人口の7%を超えたら「高齢化社会」、14%を超えたら「高齢社会」、20%を超えたら「超高齢社会」と言うそうだ!
6年程前(2019年9月現在)、超高齢化社会に突入していた国は日本、イタリア、ポルトガル、ドイツ、フィンランド、ブルガリアの6か国であった。

しかし、今後の推移を見ると中国・シンガポール・韓国が急上昇し、日本の高齢化率に並ぶ勢いである。なぜ、この3か国は急上昇するのか。その原因の1つが少子化と言われている。

中国国家統計局のデータによると、2023年時点で65歳以上の老年人口は約2億人に達し、全人口の約15.6%を占めている。また、2050年には高齢者人口が全人口の約30%に達すると予測されている。つまり、2050年には中国の65歳以上の老年人口はなんと約4億人に達するのである!

中国共産党中央委員会と国務院は2025年1月7日、「高齢者介護サービスの改革及び発展に関する意見」という高齢者介護事業に関する意見を初めて発表した!
2029年までに高齢者介護サービスのネットワーク構築とサービス能力の向上を目指すという。さらに2035年までには「中国型介護サービス」体系を確立させ、全ての高齢者が基本的な介護サービスを受けられる体制を整えるという構想である。

今年中に中国の60歳以上の人口は、3億人を突破する見込みだ。これは米国の総人口(約3億4,000万人)に匹敵する規模である!

三年前の2022年には、中国における社会保障に関する経費は年間およそ6兆元(120兆円)に達し、習近平政権以降の10年間で3倍に膨張している。

この数字は、2017年の第十九回共産党大会以降、習近平政権が国民の不満を抑える為に「共同富裕」を国家戦略として前面に押し出している成果ともいえよう!

上記の社会保障に関する経費6兆元と、そこには含まれていない介護保険の総支出の約 2兆元、同じく子育て支援の総支出は約 1.5兆で合計3.5兆元である。すべてを合わせると9.5兆元(190兆円)となる。
中国の高齢化による社会コストは、2020年にはGDPの約10%に達しており、2050年には約25%になると予測されている。

中国の2023年の国家予算における社会保障関係経費の内訳は以下の通りである。

年金:約 6.1兆元
医療保険:約 4.3兆元
介護保険:約 2兆元
子育て支援:約 1.5兆元
その他の社会保障給付:約 0.5兆元

これらの経費を合計すると、社会保障関係経費は約 10兆元(200兆円) になる。実になんと中国の2023年の国家予算の約 36.7% を占めているのだ!

2024年度には約10.5兆元程度へ小幅な上昇が見込まれ、福祉制度の充実と高齢化対策の強化が図られている。

なお参考までに、中国は中国人民解放軍建軍100周年記念となる2027年までに「強軍大国」の構築を国家目標としていることから、迅速な国防近代化への対応として、2024年度の軍事費は約1.7兆元(34兆円)前後に拡大。これにより、全国家予算に占める軍事費の割合は6%前後を維持または若干上昇する見通しである。

中国の国家衛生健康委員会が、2022 年8月に発表した共産党の機関紙である『求是』において、2035年前後には、60歳以上の高齢者が人口の30%以上という3人に1人が高齢者となる超高齢社会の到来について言及している。

65歳以上の人口が全体の7%以上で高齢化社会、14%以上で高齢社会、20%以上で超高齢社会と定義される。

中国は既に2021年に高齢社会に突入しており、このままのペースでは超高齢社会も近いとの見方が多いのである。

さらには、中国の平均寿命は年々延びているのだ!

高齢化の速度につき高齢化率が7%を超えてからその倍の14%に達するまでの所要年数(倍加年数)によって比較すると、フランスが115年、スウェーデンが85年、アメリカが72年、比較的短い英国が46年、ドイツが40年であるのに対し、我が国は、昭和45(1970)年に7%を超えると、その24年後の平成6(1994)年には14%に達した。

中国の場合は、約20年程度で高齢化率が倍加していると推定され、 現在の中国の高齢化は日本以上にさらに速いスピードで進行していると考えられるのである!

つまり、中国の社会保障関係経費は今後益々膨張していく、一党独裁体制の中国共産党にとってのゴーイングコンサーン(going concern)は、この膨張する社会保障関係経費の増大にいかに適切に対応していくかに掛かっているのだ!

中国の高齢者の為にも、アジアの平和の為にも、ガンバロウ中国共産党!

中国人口減少 世界1位から転落へ 結婚半減 介護疲れも | NHK

社説:中国の人口減少 少子高齢化にどう向き合うか : 読売新聞

2 高齢化の国際的動向|令和5年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府

急速に拡大する中国高齢者産業、日系企業に求められる事業戦略とは | 等身大の中国市場を理解する – 特集 – 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ

RIETI – 少子高齢化が加速する中国-日本との比較を中心に-

「3億人の高齢者」急速に進む中国の高齢化社会、2035年までに「中国型介護サービス」を確立するため改革案を発表 – 江南タイムズ

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