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泣けてくる悲しきスーダンの内戦!

国際社会から見捨てられたスーダン内戦は、紛争勃発から既に1年以上が過ぎたが、解決の兆しはまったく見られない!

5000万人近い国民のうち、これまでに860万人以上の避難民・難民が発生し、飢餓の危機にある人は1770万人に上ると言われる。スーダン全土で人道危機が深刻化し、今も犠牲者は増え続けているのだ。

スーダンの実情は国際社会から見捨てられたのではなく、むしろ国際社会にもてあそばれオモチャにされ続けているのである!

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スーダンの国民が気の毒でならない!

国連スーダン統合移行支援ミッション(UNITAMS)は、スーダンの民主化統治への移行を支援するために2020年に立ち上げられた国連の特別政治ミッションであった。
今年2024年2月にそのミッションの効果が発揮されていないという理由で、安保理決議によって閉鎖が決まるまで軍部や市民社会など様々な立場の人々による対話をずっと促してきたのであった。

しかし、外部の様々な国の強欲でよこしまな利害関係からスーダン国軍(SAF)とそれに対立する準軍事組織である即応支援部隊(RSF)の双方に武器が大量に流れ、スーダン国内は益々複雑化し混乱するばかりなのである!

スーダン国軍(SAF)を支援する国とは、エジプト、中国など!

準軍事組織である即応支援部隊(RSF)を支援する国とは、UAE、サウジアラビア、ロシアなど!

いつもは前面に出て来る米国が、今回はお疲れなのか見て見ぬふりなのか様子をじっと眺めるだけである!

なお、注目される点は、スーダン内戦では中国とロシアの支援する先が異なることである!

このように、スーダン内戦には多くの国々がそれぞれの利害関係を持って関与しており、内戦の解決を複雑にしている。どの国も自国の利益を優先しているため、スーダンの安定には利害関係のないまともな国際社会の協力が不可欠なのだ!

例えば、日本のような利害関係のない国からの本気の協力が必要なのである!

以下にスーダン内戦において、利害関係を持って関与している主要な関係国とその利害関係を改めてまとめてみた。

<関係する諸国とその利害関係>

1. エジプト
エジプトはスーダンの北に位置し、ナイル川の水資源を共有している。エジプトはスーダンの安定を望んでおり、特にナイル川の水利用に関する協定を維持することに関心がある。そして、エジプトはスーダンの軍事政権を支持しており、スーダン国軍(SAF)との関係を強化している。

2. アラブ首長国連邦(UAE)
UAEはスーダンの準軍事組織である即応支援部隊(RSF)を支援している。これは、RSFが保有する金の利権に加え、イスラミスト勢力の台頭を警戒しているためである。また、UAEはスーダンの金鉱山に投資しており、経済的利益を追求している。

3. サウジアラビア
サウジアラビアもスーダンの安定を望んでおり、特に紅海沿岸の安全保障に関心がある。サウジアラビアは準軍事組織である即応支援部隊(RSF)を支援している。スーダンの安定が自国のエネルギー安全保障に直結すると考えている。

4. ロシア
ロシアはスーダンの準軍事組織である即応支援部隊(RSF)に対して軍事的および経済的支援を行っている。ロシアはスーダンの港湾施設を利用することで、紅海へのアクセスを確保しようとしている。また、スーダンの金鉱山にも関心を持っており、経済的利益を追求している。

5. 米国
米国はスーダン内戦において、現在特定の勢力を直接支援しているわけではない。むしろ、米国は人道支援の再開と停戦の仲介に力を入れてはいる。米国はスーダンの軍事政権に対して制裁を課し、民主化勢力を支援している。しかし、スーダンの内戦が長引くことで、アメリカの影響力が益々限定的になっている。

6. 中国
中国はスーダンの石油産業に大規模な投資を行っており、スーダンの石油輸出の主要なパートナーである。中国はスーダンの安定を望んでおり、経済的利益を守るためにスーダン政府とスーダン国軍(SAF)との関係を強化している。

<スーダン内戦の背景と現状>
スーダン内戦は、スーダン国軍(SAF)と準軍事組織である即応支援部隊(RSF)との間での対立が主な原因である。2023年4月に発生した軍事衝突は、両者の統合問題をきっかけに始まった。現在も戦闘が続いており、深刻な人道危機が発生している。

以下に参考情報!

<スーダン内戦の主要な事件>

1. 2023年4月の衝突
2023年4月15日、スーダンの首都ハルツームで国軍(SAF)と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の間で激しい戦闘が勃発した。この衝突は、国軍とRSFの統合をめぐる対立が原因で、首都の主要施設や空港が戦場となった。国連機関の職員3人が死亡し、多くの民間人が犠牲となった。

2. ダルフール地方の暴力
ダルフール地方では、RSFと連携した民兵が特定の民族を標的にした暴力行為を行っている。2023年夏には、南ダルフール州ニヤラでマサリート人やその他の非アラブ系民族が略奪、暴力、殺害の被害に遭った。これにより、多くの住民が命を落とし、家を追われた。全人口の約40%を占めるアラブ系と約50%を占めるアフリカ系との対立である。

3. 医療施設への攻撃
内戦の中で、医療施設や医療従事者も攻撃の対象となっている。2024年5月には、北ダルフール州エル・ファシールの小児病院が空爆の衝撃波で被害を受け、集中治療室の屋根が崩壊し、2人の子どもが死亡した。このような攻撃により、多くの医療施設が機能を停止している。

<スーダン内戦の主要な人物>

1. アブドゥル・ファッターハ・ブルハーン将軍
ブルハーン将軍はスーダン国軍(SAF)のトップであり、2021年のクーデター後に暫定政権の議長となった。彼はRSFとの対立の中心人物であり、内戦の主要な当事者の一人である。

2. モハメド・ハムダン・ダガロ司令官
ダガロ司令官はRSFのリーダーであり、ブルハーン将軍と対立している。彼はRSFを国軍に統合することに反対し、内戦の激化を招いています。ダガロ司令官は、スーダンの資源を巡る利害関係にも深く関与している。

3. アブダラ・ハムドク前首相
ハムドク氏は2019年から2022年にかけてスーダンの首相を務め、民政移管を推進した。彼は内戦の悪化を懸念しており、紛争がシリアやリビアのような長期的な混乱に発展する可能性を指摘している。

これらの事件や人物を通じて、スーダン内戦の複雑さと悲惨さが浮き彫りになる。内戦の解決には、本気での国際社会の協力と関与が不可欠である!

スーダン – Wikipedia

戦闘続くスーダン、背景に軍事指導者2人の主導権争い – CNN.co.jp

騒擾から1年を経たスーダン:求められる民主化プロセスの再開と開発への取り組み | 記事一覧 | 国際情報ネットワークIINA 笹川平和財団 (spf.org)

忘れられた紛争 「人道砂漠」スーダンの現状と平和構築への道とは (asahi.com)

人びとに対する戦争──スーダン内戦の暴力被害が報告書で明らかに | プレスリリース | 国境なき医師団 (msf.or.jp)

スーダン基礎データ|外務省 (mofa.go.jp)

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