「土用」とは、日本の暦で季節の変わり目となる立春、立夏、立秋、立冬の直前の約18日間を指し、土用は一年に4回ある。2024年の夏の土用は7月19日から8月6日となる。
「丑の日」の丑とは、十二支の丑のことである。昔は日にちも十二支で表し、子の日、丑の日というように12日で干支が一周するようになっていた。
2024年の土用の丑の日は7月24日だが、実はそれは「一の丑」で、今年は8月5日が「二の丑」となっている!
うなぎを土用の丑の日に食べるという習慣は、江戸時代に定着したと言われている!
しかし、暑さが厳しい夏の土用の時期には、シッカリと精のつくものを食べるという習慣そのもの自体は、もっとずっと昔からあったようである。
あの万葉集にも既に、奈良時代の歌人・大伴家持は詠んだ。
「石麻呂に 吾物申す 夏痩せに よしと云ふ物ぞ うなぎ取り召せ」
という歌があり、ウナギが夏バテ対策の食べ物として古くから親しまれていたことがよく分かる。
ウナギ以外にも夏バテ対策としてあったとされる、土用しじみや土用餅、土用卵などの言葉が今も残っている。
また、丑の日に「う」のつくものを食べると病気にならないという言い伝えが全国各地にあり、昔はうどんや瓜、梅干などもよく食べられていたそうである。
「土用の丑の日 」の由来に関する有力な説として、この丑の日の「う」と精のつくウナギをうまく結びつけて「土用の丑=ウナギ」という習慣を定着させたのが、江戸時代の学者・平賀源内だとも言われている。
源内は広告宣伝のアイディアにも長けており、夏に売れないウナギを売るために「本日丑の日」と書いた張り紙を出し、鰻屋を繁盛させたそうである。
このように「土用の丑」は「平賀源内説」が有名だが、他にもいくつか以下のような説も語られている。
「春木屋善兵衛説」:江戸文政年間に大量のウナギの蒲焼の注文を受けた春木屋が、子の日、丑の日、寅の日に作ったウナギをかめに入れて保存していた。
そして土用に再びかめを開けて確認したちころ、丑の日につくったものだけが美味しい状態で残っていたそうである。
「大田蜀山人説」:平賀源内と同じように、鰻屋「神田川」に相談された文人・狂歌師の蜀山人との説でる。
「丑の日に鰻を食べると薬になる」という内容の狂歌を考え、それをキャッチコピーとして広めたという話が天保時代の書物に記されているようだ。
「『うし』の字の見立て説」:筆で書いたひらがなの『うし』の字が、2匹のウナギのように見えたからとも言われている。
さて、その美味しいうなぎの食べ方には、主に二つの方法がある!
ウナギは開いてかば焼きにする食べ方が一般的だが、関東と関西では食べ方に違いがある。
関東では、まずウナギを背中から開き、頭を落とし、一度素焼きにして蒸し焼きにするという調理法だ。身がふっくらとするうえに余分な脂を落とすことができる。味付けに使うのは甘さ控えめのあっさりとしたタレだ。
武士が多い関東の江戸では、「切腹を想像させる腹開きは避けられていた」といわれている。
関西の調理法は、ウナギを腹から開き、頭を残したまま焼き上げる方法である。
商人が多い関西では大阪商人が好む「腹を割って話す」という言葉にかけた調理方法がとられたといわれている。素焼きにしない分、脂がのった仕上がりが特徴。味付けのタレは甘味が強く、ややとろみがある点も関東と異なる。
ところで、大問題なのはうなぎの値段である!
うなぎ蒲焼100g(東京23区)の価格は過去20年で2001年の536円から2021年の1200円と倍以上になっている。
全国平均では、うなぎ蒲焼き100gの値段は、2024年5月の時点で1,490円となっている。
ここ最近では23年前と比べて約3倍になっているのだ!
うなぎの値段と比べ、日本人の平均給与は、約20年間ほぼ横ばいのまま増えていない!
「令和では うなぎ恋しや 夢の中!」と言いたくもなる。
「土用の丑の日」の意味って知ってる?ウナギを食べる理由や由来を解説 | Domani (shogakukan.co.jp)