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500年続いたフェイクニュースを正す「黒人の歴史30万年の物語」に学ぶ!

人類の誕生から、ここ最近のBlack Lives Matterまで。アフリカ大陸から始まった、30万年におよぶ黒人たちの遥かなる誇りと500年前の16世紀に始まった黒人奴隷制への抵抗と闘いの歴史を、地図や図版を駆使して描いた、初めての一冊が「黒人の歴史30万年の物語」ある!

メイン著者であるネマータ・ブライデン氏は、米ジョージ・ワシントン大学教授(歴史、国際関係)。専門はアフリカ人、とりわけ世界各地に拡散するアフリカ人の研究者である。日本語訳は沢田博氏、監訳は石川博樹氏。

いま世界的に、これまでの一方的にワンパターンな西洋中心の歴史認識の見直しが進められている。特に、豊富な資源、生産力とともにテクノロジーも急成長中のアフリカ大陸では、多くの企業や産業が進出しており、アフリカ史・アフリカ事情について最新のアップグレードを行うことで、ビジネスシーンにおいても異文化理解・コミュニケーションを深めるための貴重な知識となる。そんな理由から、是非とも「黒人の歴史30万年の物語」の中よりその一部を紹介したい。

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16世紀、アフリカにおいて別の部族のアフリカ人の奴隷となっていた人たちを、ヨーロッパの奴隷商人たちが買い取り、「貨物」として船に積み込み、いわゆる「新世界」へと運んだ。陸揚げされた奴隷は市場で家畜同然に売買され、南北アメリカ大陸やカリブ海の島々で働かされた。最も数が多かったのは今のブラジルである。
むろん、奴隷たちも黙ってはいなかった。アフリカ西部の港でも、航海中の船内でも、アメリカ大陸に着いてからも必死の抵抗・反抗を続けた。反乱が成功した例もある。イスパニョーラ島の西部(当時フランス領)にいた奴隷たちは1791年に蜂起し、ついに支配者を追い出し、1804年に独立を果たした。現在の【ハイチ】である!

【ハイチ】とは、ラテンアメリカとカリブ海地域で最初の独立国家であり、アメリカ大陸において米国に次ぐ2番目の共和国であり、奴隷制度を廃止した最初の国である。さらには、奴隷の反乱が成功して成立した歴史上唯一の国家でなのである!

16世紀から約300年の時を経て、欧米の白人たちもようやく、奴隷制があまりにも「悪」であることには気がつき始めた。と言うよりは、さすがにフェイクを続けることに気が引けたのであろう。そして肌の黒い奴隷たちと手をつなぎ、奴隷制廃止に動き始めたのである。米国では1861年に南北戦争が始まり、1865年に奴隷制反対の北部軍が奴隷制擁護の南部軍を下した。制度上米国では、これで奴隷制自体は一応廃止された。

だが喜ぶのはまだ早い。その後も奴隷出身者(解放奴隷)とその子孫への迫害はまだまだ続いたのである。米国では、奴隷解放から約100年後の1964年まで、いわゆる「ジム・クロウ法」によって人種隔離は合法化され、黒人差別が異なるスタイルで制度化されたのだ!

「ジム・クロウ法」とは、白人たちの建前と本音が生み出した、当時の白人社会内部における今も流行りの「ポリティカル・コレクトネス」なのかも知れない。ただし、黒人たちの立場はすべて無視されていたのである!

これに反発する解放奴隷の一部は、アフリカ西岸にできた新生国家【1847年に独立するリベリア】に逃れた。

【リベリア】とは、黒人をアフリカ大陸に戻してやろうと考えた白人たちの「善意」により建設された国である!

ところが、あいにく昔から現地に住んでいたアフリカ人への配慮を全く欠いていた。米国の解放奴隷の子孫たちが、人口の上では少数派ではあったものの、一方的に権力を握る結果となったのである。そして、【リベリア】の先住民は差別され、圧政に苦しむことになったのだ。黒人社会において、同じ黒人への新たな差別化を引き起こしたのである!

ヨーロッパ諸国も奴隷制を廃止したが、代わりにサハラ砂漠以南のアフリカで植民地の建設に精を出した。アフリカを植民地として支配し、「劣等」人種の黒人を「文明化」するという新バージョンのフェイクニュースを推し進めた、新たなるフィクションの誕生であった。1884~85年には各国の代表がベルリンに集まり、話し合いでアフリカ大陸の分割を決めた。イギリスは西アフリカの広大な地域を取り、ベルギー国王はコンゴを自分の別荘地とした。この会議に参加したアフリカ人は、勿論誰一人もいない!

当然のことながら、分割の線引きである「アフリカ各国の国境」は、それまでアフリカの各民族が暮らして来た歴史のすべてをまったく無視したものであった!

しかし、1900年までに【エチオピア】と【リベリア】を除くアフリカ大陸の90%はヨーロッパ諸国の領土となったのである!

そして殖民地は、1945年の第二次大戦の後まで約75年間も継続されたのだ。アフリカでの民族自決,独立の動きが急速に高まったのは,1950年代後半から1960年代で、アフリカ諸国は相次いで独立を果たした。特に1960年は、17か国が一挙に独立を達成し「アフリカの年」とも呼ばれた。

日本の学校で詳しく教えない「黒人30万年の歴史」 世界各地、多数の民族にまたがる壮大な歴史 (msn.com)

アフリカ諸国の独立/アフリカの年/1960年 (y-history.net)

ジム・クロウ法 – Wikipedia

黒人奴隷/奴隷貿易/黒人奴隷制度 (y-history.net)

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