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「万引き家族」が移住したくなるカリフォルニア州法「プロップ47」(Prop 47)!

2014年11月4日に実施されたカリフォルニア州の住民投票により可決成立した法律が、「プロポジション47」(Proposition 47)、略称「プロップ47」(Prop 47)である。
「プロップ47」は、日本ではおよそ想像もできない驚くべき法律なのだ!
被害額950ドル以下の万引きが、「重犯罪」から「軽犯罪」へと変更されたのである。
つまり、950ドルまでなら捕まっても放免されるというお墨付きが出たのだ!
日本の「万引き家族」なら、すぐにカリフォルニアに移住したくなるような話である!
もう9年前に出来た法律ではあるが、個人的にはつい最近教えてもらい知った次第である。そして、日本のマスコミの報道の在り方に対し、その片寄り方にジャニーズ問題の件と同様、またまた強く疑念を感じた次第である!

「プロップ47」は、早い話が日本の警察ならば例え100円の犯罪でも駆け付けてくれるが、米国の警察は約14万円以下の犯罪にはいちいち駆けつけませんよという話である。

なぜこんな法律が誕生したのか?
第一に挙げられるのが、刑務所に収監されている囚人の人口問題である。「プロップ47」が施行される前のカリフォルニア州では、「重犯罪」で起訴されて刑務所に収監される人が増加し、刑務所の収容キャパシティは限界を迎えたとされた。「プロップ47」の支持者によると、「プロップ47」の施行によりカリフォルニア州内の刑務所に新たに収監される人の数が一気に50%減少し、「プロップ47」が施行された2014年の翌年の囚人人口の総数は前年比で9%減少したと主張している。
同時に挙げられるのがコストの問題である。警察が犯罪者を逮捕し、起訴して刑務所へ送り込み、収容するには少なくないコストがかかる。特に収容する期間が長くなるほどより多くのコストが必要になる。犯罪者を「重犯罪」で逮捕起訴して刑務所へ長期間収容するよりも、「軽犯罪」で逮捕して再教育などを受けさせた方がコストが安くなるというのである。「プロップ47」の支持者たちは、「プロップ47」の施行によりカリフォルニア州の警察関連予算を年間1億5000万ドル(約210億円)も削減できたと主張しているのだ。

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しかし、現実は「プロップ47」の支持者たちが主張するようにはなっていないようだ。
ロサンゼルスやサンフランシスコなどの都市部などにおいては、百貨店などの小売店での万引きが常態化し、無法地帯となりつつあるという。特にサンフランシスコの状況は酷く、中には大規模な万引きグループに連日店を襲撃されて経営が立ち行かなくなる店も出てきているそうだ。
ここ最近の話では、米国を代表する小売店を含む95の大型小売店が撤退を決めたそうである。もっともこれらの撤退理由の一つには、コロナによる在宅勤務の増加によってオフィス人口が大幅に減少したこともある。

さらに調べて見てビックリしたことは、そもそもカリフォルニアの950ドルという線引きは米国で飛び抜けて緩いわけではなく、むしろ緩和した州の中では保守的な方なのだ。1000ドル以上の州は多く、2000ドルを超えている州もあるのである。
コロラド州、コネチカット州、ペンシルバニア州、サウスカロライナ州はすべて2000ドル。最も高い2500ドルはテキサス州とウィスコンシン州である。
要するに、「プロップ47」とは現代の米国におけるお金持ちと貧乏人という、お金の面での極端な二極化を象徴する法律なのであろう。

ひょっとすると、まだ捕まらない多くのあのルフィたちが、既に闇バイト「カリフォルニア万引きツアー」で大いに稼いでいるのかも知れない!

カリフォルニアを揺るがす「プロポジション47」とは? (j-seeds.jp)

Felony Theft Amount by State [Updated January 2023] (worldpopulationreview.com)

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