今月の8日にハワイのマウイ島で起きた山火事は、一週間経ったお盆の日である8月15日の今日も、依然として鎮火には至っていないという。
ハリケーンに伴う強風にあおられ、ハワイの古い都である西部の観光地ラハイナが壊滅的な被害を受けたのである。
消防当局は「火が地面から低い位置で水平に移動し、信じられないほどの速さで燃え広がった」と説明している。
甚大な被害が出たラハイナを視察したハワイの州知事は「街の80%がなくなった」と述べている。
山火事の原因はまだ特定されていないが、米国の報道によると、強風によって切れた送電線が火元になった可能性があるという専門家の見方を伝えている。
マウイ島ではおよそ30本の電柱が倒れたという話である。
これまでに確認された犠牲者の数は96人にのぼり、全米防火協会(NFPA)の統計によると、米国の山火事としては過去100年余りでは最多となり、米国史上5番目に多い惨事となったという。現在もまだ多くの住民が安否不明で、死者数はさらに増える恐れがあるとのことである。
現在も地元当局は捜索活動の態勢を強化するとともに、行方不明になった人の家族にDNA鑑定による身元の確認への協力を呼びかけているそうである。
焼失面積は、870ヘクタール(東京ドーム約188個分に相当)を超えており、被害を受けた建物の86%が住宅で、2207棟が損壊したとのことであり、損失額は推定60億ドル(約8700億円)に達する見通しである。
なお、今回の山火事により、ラハイナにある日系人ゆかりの寺「ラハイナ浄土院」も被害を受け、本殿などのほか、町のシンボルの1つだった三重の塔が消失したことも報道されている。
現在、マウイ島では1400人余りの人々が6か所に分かれて避難され、ボランティアによる支援も継続して行われている。
山火事が発生した当時、住民に警戒を呼びかけるサイレンが作動した形跡がないことが既にわかっており、今後に検証が待たれるとの話もあった。
また、山火事が発生する前に米国立気象局から「レッド・フラッグ」と呼ばれる警報が出されていたという話もある。何ヵ月も続く干ばつ、低い湿度、強い風という3つの危険な条件がそろっていたためである。
さらに、今回の山火事の要因の一つにハワイの外来植物も挙げられると、ニューヨーク・タイムズは指摘している。ハワイには家畜の飼料として持ち込まれたアフリカ原産の草がたくさんあり、今では州全体の4分の1近くの土地にこうした外来植物が生息しているという。その特徴は、雨が降ると急成長し、干ばつにはとても強そうだ。
とにかく、今日はお盆の日であり、かつ「敗戦の日」終戦記念日でもある。御先祖さまと戦没者のの皆さんを祈りつつ、ハワイの山火事の犠牲者の方々にも黙祷を捧げたい!
大規模化する山火事、「メガ火災」超え「ギガ火災」へ 米加州 – CNN.co.jp