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日本人のグローバル化促進策とは!

文部科学省(2019年度)が OECD や世界各国の主として長期留学者の受入れ数を対象とした統計を活用して調査している資料によると、日本人の海外留学者数は、2004年に 8万2945人のピークを迎えて以降減少傾向にあり、2016年の日本人の海外留学者数は 5万5969人(32.5%減)であった。

何とグローバル化の声だけが大きくなる中で、日本人の海外留学者数は逆に減少しているのが現実であったのだ!

一方、隣国である中国と韓国を見ると、日本とはまったく逆で、2019年で、中国の海外留学者数は71万人、韓国が16万人へと増加している。

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中国の人口は約14億人と日本の11倍ほどで、韓国の人口は約5千万人と1億2千万人強の日本の半分弱である。

2016年の日本の海外留学者数は5万6千人を11倍すると、61万6千人となり、中国の2019年海外留学者数71万人より10万人ほど少ない。つまり、人口比でみると中国人は、日本人よりも少し海外留学者数が多いというイメージである。

次に2016年の日本の海外留学者数は5万6千人を0.5倍すると、2万8千人であるが、韓国の2019年海外留学者数は、その6倍近い16万人である。つまり、人口比でみると韓国人は、日本人よりも6倍以上も海外留学者数が多いというイメージである。まさに、韓国における海外留学熱の高さを実感する!

また、日本青少年研究所(2012年度)による日本、米国、中国、韓国の高校生を対象とした留学に関する意識調査(2011年実施)では、「留学したい」と回答した生徒の割合は、日本では 46%だったのに対し、米国では 53%、中国では 58%、韓国では 82%に上っていた。

さらに、日本は「留学したいと思わない」が5割強で4ヵ国中最高であった。このような海外留学者数が減少している状況や意識調査の結果を背景に、日本の若者は、海外への興味が薄れてきて「内向き化」しているという指摘がメディアで大いに盛んになった次第である。

ここまでの話の中で、急にあるミュージシャンのテレビでの発言を思い出したのだ!そのミュージシャンとは、ニューヨークで活躍している矢野顕子さんのことである。

彼女が仰った「自分の音楽への挑戦のために、ニューヨークに敢て今は住んでいます。しかし、楽に暮らしたいなーと思ったら、日本ほど便利でいいところはないですよー!」が、ずっと耳に残り続けているのだ!

そんな自分の記憶を踏まえると、メディアが指摘する若者への「内向き化」というのは、あまりにも薄っぺらい表面的な指摘に思えて来るのである!

むしろ、日本の若者はSNSやメディアの情報を通して、色々な問題もあるにはあるが、総じて考えると日本は便利で暮らし易い国であることに間違いはなし、とキッチリとシッカリ分かっているのである!

ボランティア活動についてのアンケートを見てみると、日本、韓国、米国、英国、フランス、ドイツ、スエーデンの7か国で比較した結果はこうである。
日本では、ボランティア活動をしたことがない若者が7ヵ国中、もっとも高く5割を超え(51.9%)、「現在、活動している」がもっとも低く1割を切っている(6.6%)。

これら一連のアンケート結果から、国際交流活動、ボランティア活動、外国在住・旅行の経験があり、外面的自尊心・自信と自己充足感を持ちつつも、将来の就職や勉強について心配している若者は、海外留学志向を持つという傾向が見えて来る。

さらには、奉仕の精神を持ち、社交的で友人が多く、将来については楽観的であり、起業家精神を持っている若者に留学を希望する者が多いことも窺えた。

こんな調査で得られた知見を考慮すると、日本人の海外留学を促進するためには、早いうちから国際交流活動、ボランティア活動、外国在住・旅行の経験をさせることが大事だといえそうだとの話である。

2023年の今、個人的に思うことは、コロナによる影響によりここ3年ばかりで、遅れていた日本のIT化がようやく進み、在宅勤務や在宅学習が可能となったではないか!

それならば、実際の外国在住や外国旅行は横に置いておいても、国際交流活動やボランティア活動のほとんどは日本にいるまま、在宅で可能ではないかという話である!

今ならば、必ず出来るはずである!

昨日の夕刊の見出しに、今年の夏の地球の世界的な暑さは「12万年ぶり」とあったことからも、温暖化に関する国際交流やボランティア活動も益々大事である!

また、ロシアのウクライナ侵攻による長引く戦争状態を思えば、「世界一の平和憲法」を有する日本の若者として、独自の平和を求める国際交流やボランティア活動の展開も出来るはずだ。

例えば、憲法9条を国内だけの議論に終始するのではなく、世界の真ん中で日本の若者が大きな声で憲法9条を叫び、世界に平和の追求を呼びかける国際交流やボランティア活動があっても不思議ではない!

勿論、各国のイデオロギーや主義主張なんぞは横に置き去りにして、平和そのものを訴える国際交流である!

そんなことが、今では日本にいるままにして、容易に出来得る時代なのである!

なお、あらためて憲法9条とは下記のごとくである!

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。』

憎きコロナの唯一のプラス面!

我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度) – 内閣府 (cao.go.jp)

第3部 有識者の分析 (cao.go.jp) 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度)

上記有識者の分析から、一橋大学 森有礼高等教育国際流動化機構 全学共通教育センター 教授 太田 浩さんのお話を引用させて頂きました。

日本の憲法を単語の数で比べてみると!

戦争とは究極の人権侵害である!

「寛容さの共有」を忘れた社会の危うさ!

鈍偶斎

還暦は過ぎたるも、心は少年の如くありたいと願っています!