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BBCの「Predator:The Secret Scandal of J-Pop」に想う!

2019年に逝去されたジャニー喜多川氏による性加害疑惑と、それを黙殺する日本社会の現実への「日本人よ、おかしいのではないか?」という問い掛けの番組である。

番組を制作したBBCには、多くの日本人のそんなこと「常識やんか!」という物言いは、知っていてそれを許してきた、あるいは許さざるを得なかった日本社会になんらかの事情が在るのではという思いのようだ。
そして、もしこの疑惑が事実であるなら、なぜそれはカトリック教会の多くの神父が行った少年たちへの性的虐待問題や、ハリウッドの大物プロデューサーの性的搾取から起きた#MeToo運動のように糾弾されないのか、それが不思議でならないという理屈であろう。

欧米のキリスト教的ワンパターン的な考え方からすれば、BBCの見方は至極当然の指摘だとは思える。

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簡単に言えば、本件における日本の「常識やんか!」という考え方は、BBCの考えるグローバルスタンダードから、逸脱しているのではないかという指摘である!

そう言えば、最近欧米の人々がようやく認め始めたLGBTQについても、ある一部の人々を除くと、やはり今でもその実態は「ポリティカル・コレクトネス」の匂いがプンプンしているのではなかろうか?

伝統的に、欧米における同性愛は聖書において指弾される性的逸脱であり、ハッキリと宗教上の罪(sin)としてきた長い歴史が今も存在しているのである!

かたや日本の歴史を見ると、千年以上も前の平安時代に書かれた「とりかへばや物語」を始め、戦国時代にも流行た「衆道」から江戸時代に大流行した「陰間茶屋」というように、同性愛は罪などとは認識されて来なかった。大谷翔平選手ではないが、江戸時代には別の二刀流も流行した、大らかな国なのである!

落語でもお馴染みの、弥次喜多道中、東海道中膝栗毛のヤジサン・キタサンの話もそっちの二刀流である!

勿論、日本人の中にも同性愛をとんでもないと思う人もいるが、それは明治新政府が「欧米を見習へ!」とやったことを真に受けた、あるいはうわべはそう見えるようにした人々の影響が非常に大きく影響していると思われる。

BBCは、「とりかへばや物語」や「衆道」などの奥深い文化の勉強は言うまでもないが、現代日本における「ボーイズ・ラブ」なども勉強して、今一度新たに番組を制作するのが良いのではなかろうか!

さらには、同性愛と同じく欧米人の目を気にし国辱的だとして、大正3年(1914年)に千年以上の昔から綿々と守り唱えられてきた神道の「大祓いの祝詞」から、天つ罪・国つ罪(あまつつみ・くにつつみ)の罪名の部分が抹消されたことなども、BBCは勉強すべきであろう。

ついでに、ギリシア時代の哲人ソクラテスやプラトンのプラトニック・ラブもあらためて勉強し直せば、なお良しである!

実際に同番組を視聴した中で、ある元ジャニーズ事務所の在籍者が語った、「お尻を貸したぐらい、どうってことないじゃん!」との話には、まさしく鎌倉時代に書かれた「御伽草子」の中味(文化的な受け止め方)とまったく同じじゃんと思わず笑ってしまった!

要するに今回のBBCの番組には、 カルチュラル・ダイバーシティ(cultural diversity)が欠落しているのである!

BBCよ、日本の文化を深く勉強し直そう!

目指せBBC、真のカルチュラル・ダイバーシティ(cultural diversity)を!

0927夜 『狂雲集』 一休宗純 − 松岡正剛の千夜千冊 (isis.ne.jp)

グルーミングもダイバーシティ!

参照1:ジャニー喜多川氏性加害問題、黙殺のメカニズムと日本社会の共犯性:BBCドキュメンタリーが日本向け放送(オルタナ) – Yahoo!ニュース

参照2:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』天つ罪・国つ罪(あまつつみ・くにつつみ)

参照3:大祓詞 (内務省訓令中) – Wikisource

参照4:大祓詞 – Wikisource

鈍偶斎

還暦は過ぎたるも、心は少年の如くありたいと願っています!