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御健在なり「予測の神様」カウフマン!

新聞を見て驚いた2月14日付の日経朝刊のForesight!
何と御年95歳のエコノミスト、ヘンリー・カウフマンさんが、現役バリバリでのインタビューであった。
誠に恐縮ながら、もう随分と前に引退なさったと勝手に思い込んでいた次第である。
とんでんもない勘違いであった!
添えられた写真のお顔は、まさしく眼光鋭く世の中を深く見通すパワーで漲っているではないか!
あらためてお詫び申し上げ、最敬礼!である。

思い起こせば、1970年代の米国は欧州諸国と同様、インフレと景気停滞(スタグネーション)の同時存在であるスタグフレーションの後遺症に悩んでいた。
そんな状況の最中、1979年8月にFRB議長へ就任したポール・ボルカーは、翌年からすぐに高金利政策を導入し、迷う事無くインフレ退治を断行したのだ。
1980年代前半の米国における、あのボルカー議長の高金利政策が始まったのである。

足元の現在、米国10年国債の利回りは3.70%前後である。しかし、1980年代の米国10年国債の利回りは、何と軽々と10%を超え12~14%前後であったのだ。最も高かったのは恐らく1981年9月につけた15.84%であろう。

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多くのお金持ちの方々にとっては、ワザワザ株式などでリスクを取らなくても、元本保証の米国国債を買えばまさに楽勝の時代があったのである!

そんな高金利政策のために世界のマネーは米国へドンドンと流入、当然ドル高が続くことになり、米国の貿易赤字は膨らんだ。また、同時に米国では財政赤字も累積したことから、二つ合わせて「双子の赤字」と呼ばれたのだ。
そのまさに渦中において、当時50代半ばのエコノミストであったカウフマンさんが、1982年から始まった「金利低下への大転換」を同年8月のメモで言い当てたのである。そのことにより彼は、「予測の神様」と呼ばれるようになった。

そして、2023年2月このたびの記事における「予測の神様」カウフマンの御宣託の骨子は、こんな3点であった。

1:FRBは失業率が現在の3.5%前後から4~4.5%程度に上昇するまで利上げを続けるであろう!

2:景気は減速しているものの、景気後退に陥ることはないだろう!

3:今年は1982年8月のような、市場の大転換はないだろう!

「予測の神様」の御宣託をまたまた信じたくなる!

いや、是非そうであることを願いたい!

ヘンリー・カウフマン|プロフィール|HMV&BOOKS online

パウエル議長のインフレ対策を批判-1970年代を知るカウフマン氏 – Bloomberg

1962年以降のアメリカ10年国債利回りの推移 | フジトミ証券株式会社 (fujitomi.co.jp)

鈍偶斎

還暦は過ぎたるも、心は少年の如くありたいと願っています!