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「シャーデンフロイデ」とは「ジョーダンキツイデ」!

「シャーデンフロイデ」という言葉に初めて出会った。

脳科学者の中野信子さんが書かれた「シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感」(幻冬舎新書)の宣伝広告を見たのである。

これはドイツ語で、「他人の不幸を喜ぶ」という意味だそうだ。

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“Schadenfreude”は「損害」「害」「不幸」などを意する “Schaden” と「喜び」を意する “Freude” を合成したドイツ語であり、意味合いとしては「他人の不幸を喜ぶ気持ち」もしくは「人の不幸を見聞きして生じる喜び」とのことであった。
“Schadenfreude ist die schönste Freude, denn sie kommt von Herzen.(意:シャーデンフロイデは最高の喜び、なぜならそれは心から来たものである。)” という諺まであるそうだ。

口にしてみると何とはなしに語呂がよく、「シャーデンフロイデ」とは「ジョーダンキツイデ」とダジャレをつぶやきながら、気になって検索してみた。

日本語では、感情的には「ざまあみろ」の感覚で、「他人の不幸は蜜の味」といったところかとあった。

中国語なら、四字熟語の「幸災樂禍」や「樂禍幸災」がそれにあたり、「他人の不幸を見て楽しんだり喜んだりすること」を意味するという。

英語では、ドイツ語からの借用語としてほぼそのまま導入されており”schadenfreude” と綴るそうだ。

なお、古くから使われている英語表現では「Roman holiday」が相通じる表現とのこと。「他人の犠牲において楽しむ娯楽」を意味する。古代ローマ人が円形競技場で行われる奴隷の剣闘士同士の死闘や罪人の残酷な死刑などの見世物を楽しんだことに由来するそうだ。

ちなみに、そーだったのか!と驚いたのが、あの名作オードリー・ヘプバーン主演の映画「ローマの休日」の題名にもそうした皮肉が込められているという指摘であった。王女さまのお楽しみのお陰で、周りは大いに迷惑しているというニュアンスの文化的なコード(約束事・暗号)があるというのだ。

こんな話も初めて知った、これまで想像もしなかった話だ。

ダ・ヴィンチ・コードばかりじゃないのである!

さらに最近ではこれらに加えて、SNS黎明期の2000年代前半に「他人の不幸で今日も飯が美味い」の略語として2ちゃんねるから生まれたインターネットスラング「メシウマ」があり、その後、「他人の幸福で今日も飯が不味い」および「自分が不幸で今日も飯が不味い」という意味の対義語「メシマズ」も派生したとのこと。

これもまたまた、知らない話のオンパレードである!

洋の東西を問わず、このように似たような意味の表現が使われているのは、まさに人類共通の感情表現の一つをみごとに表している言葉なのであろう。

しかし、一方で何度も「シャーデンフロイデ」という言葉を呪文のように繰り返し口にしていると、「オマエもたびたびそんな感情に浸っているようやが、ホンマにそれでエエのかなー?」と何処からともなく問われる気分にもなって来る言葉でもある。

そんな折には、心の中で「ジョーダンキツイデ」とつぶやくのがやはり精神のバランス保持には良いように思う。

幻冬舎新書のお薦めの中では、作者の中野信子さんの脳科学のお話の解説も兼ね、「シャーデンフロイデ」とは、他人を引きずり下ろしたときに生まれる快感のことである。成功者のちょっとした失敗をネット上で糾弾し、喜びに浸る。実はこの行動の根幹には、脳内物質「オキシトシン」が深く関わっているとある。

そしてオキシトシンは、母子間など、人と人との愛着を形成するために欠かせない脳内ホルモンだが、最新の研究では「妬み」感情も高めてしまうことがわかってきた。なぜ人間は一見、非生産的に思える「妬み」という感情を他人に覚え、その不幸を喜ぶのか。現代社会が抱える病理の象徴「シャーデンフロイデ」の正体を解き明かすというコメントがなされていた。

オキシトシン、「ジョーダンキツイデ」!

参照:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』シャーデンフロイデ

ロザン×中野信子「シャーデンフロイデは、社会を守るために必要な感情なんです」|特別”高学歴”鼎談|菅広文/中野信子 – 幻冬舎plus (gentosha.jp)

鈍偶斎

還暦は過ぎたるも、心は少年の如くありたいと願っています!