農林水産者の発表によると、2010年の「農業就業人口」は約260万人。しかしその後は、毎年10~50万人ほど減り続け、2019年には約168万人にまで減少したとのこと。
ちなみに、昭和の時代1960年には約1270万人の農業就業人口がありました。
つまり半世紀以上前には、全産業就業者数に占める農業就業者数の割合が、28.7%もあった、これは約3人に1人の割合で当時の日本人は農業を仕事にしていたのである。
また、「農業従事者の年齢構成」の推移については、2010年の農業就業人口のうち、65歳以上は約160万人で全体の約6割、平均年齢は65.8歳でした。2019年になると、65歳以上は約118万人で全体の約7割を占め、平均年齢は67.0歳でした。
農業就業人口の減少傾向と比べるとゆるやかではあるものの、農業従事者の高齢化が進んでいることが窺えます。
なお、農業総産出額においては2010年の8.2兆円から2019年には8.9兆円とやや増加しています。しかし、近年のピークである1984年の11.6兆円には及ばない状況です。
このような問題を抱えるのが、今2022年の日本の農業の現状であります。
こんな状況を打破しようとするささやかな試みの一つが、「農業ビジネスべジ」のホームページ2022年8月3日付けのニュースで、以下のように紹介されていました。
愛知県豊橋市は「食と農のまち推進プロジェクト」の一環として、質の高い豊橋産農産物の「地産地消」を推進するため、地元農家と地元飲食店が豊橋産農産物を使った新メニューを開発、提供するプログラムを始める。
愛知県の東南部にある豊橋市は、豊川用水の豊かな水と温暖な気候に恵まれ、キャベツなどの露地野菜、大葉などの施設栽培、柿や桃といった果樹など多種多様な作物が栽培されている。また、養豚や養鶏などの畜産も盛んで、全国トップクラスの農業生産額を誇る地域。
同プログラムではまず、地元農家×地元飲食店のマッチング会を8月31日に開催。マッチングが成立したグループが地産地消の新メニュー開発(9月から)を行い、新メニューの提供イベントを11月から2023年1月ごろ開催する予定だ。
たまたま日本の農業の現状を調べていて、偶然に出会ったホームページです。
これが日本の農業への強い思いを感じられる内容で、大いに楽しみにして読ませてもらっていました。
ところが、今月9月7日の最新ニュースでは、「諸般の事情により「農業ビジネスべジ」は2022年11月30日をもって閉鎖させていただきます。」というので大いに驚いた次第です。
諸般の事情によるのでしょうが、就業人口が激減し高齢化している我国の農業を応援する存在がまた一つ減るのは、誠に寂しいことです。
本日2022年9月17日の日経新聞朝刊の記事にはこうありました。世界第2位と第3位のコメ輸出国であるベトナムとタイが、輸出米の2割前後の値上げを協議中。ロシアの侵攻によるウクライナ危機で高騰した小麦と比べ、安定していたコメの値上げは、世界の食料価格の高騰に拍車がかかる懸念がある!
なお、世界最大のコメ輸出国であるインドは、国内供給を優先するため、既に9月9日から一部のコメを対象に20%の輸出関税を課しているとのこと。
こんな時代に我々日本人が生きていくためには、今の日本の農業を何とかしないといけないのは言うまでもありません。我々国民の一人一人が真剣に考えるべき問題です。政府が何とかするだろうと丸投げするのでは、あまりにアブナシです。元々、政府が日本の農業をどうすればいいのか分からなくなったから、今の農業問題がある訳ですから!